地中海沿岸の人たちは、心臓血管系の病気の割合が低いことが知られています。この土地の食生活を取り入れた「地中海式ダイエット」は、健康の維持や増進に役立つとして、注目を集めています。
具体的には、オリーブオイルを使う、肉類よりも魚介類を多く食べる、旬の野菜や果物を食べるということが特徴です。地中海式ダイエットは、心臓血管系の病気以外でも、糖尿病リスクの低下や悪玉コレステロールの低下など、さまざまな健康上のメリットがあるとされていますが、アメリカ・コロンビア大学メディカルセンターの研究チームは今回、腎臓病との関係について研究を行いました。
今回の研究では、地中海式ダイエットが腎臓の健康に与える影響を、およそ7年間という長期間にわたって観察。地中海式ダイエットの実行度を、最高を9点とするスコアにして、900人の参加者がどの程度忠実に地中海ダイエットを生活に取り入れているかを測りました。
すると、地中海ダイエットの実行度が1ポイント高くなるごとに、慢性の腎臓病にかかるリスクが17%ずつ低くなることが分かったのです。そして、スコアが5以上の人では、腎臓病にかかるリスクはおよそ半分に減るばかりか、腎臓の機能低下のリスクすらも、42%低くなることが分かりました。
海外の食生活とはいえ、オリーブオイルやお魚、野菜などの材料は日本でも手に入る地中海式ダイエット。出来る範囲で生活に組み込んでいきたいですね。
▼外部リンク
・The Association between a Mediterranean-Style Diet and Kidney Function in the Northern Manhattan Study Cohort
・Mediterranean Diet May Help Protect Kidney Health