がんワクチン、抗原ペプチド
メディネット社が、がん抗原「HSP105抗原ペプチド」の特許を取得したことを発表した。すでに2011年にフランス、英国、スイスなど欧州11か国では権利化を成立させている。
HSP105(Heat Shock Protein 105)はストレスタンパク質に分類され、熱などの要因で体内で生産される。このタンパク質が、膵がん・大腸がん・乳がん・食道がんなどの症例では高発現している。
HSP105抗原ペプチドはHSP105を構成するアミノ酸配列のうち、特にがん抗原特異的CTLが強く反応する部分だ。これをワクチンに用いると、CTLを効率的に刺激・増殖させることができる。
臨床試験は昨年より実施
同社は東京大学医学部付属病院、肝・胆・膵外科・人工臓器移植外科の医師らと共同で、昨年から臨床実験を進めている。
対象は、HSP105が高発現している膵がんや他の消化器系がんなどの患者のうち、標準的な治療ができない、または治療に効果が見られない再発・進行がんの症例。
HSP105 抗原ペプチドを用いた樹状細胞ワクチン治療を実施し、安全性を評価していく。また、併せて、臨床的有用性や HSP105 に対する特異的な CTLv誘導などの免疫学的反応性の評価も行っている。
現在、がん抗原のペプチドを利用したがんワクチンの開発は世界中で行われている。今後、メディネットはワクチンの開発、樹状細胞ワクチン療法・CTL療法への応用など、HSP105抗原ペプチドの事業化を実現していく方針。
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