機能的な立体組織・臓器を作製する新たな技術開発段階へ
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は11月7日、iPS細胞を用いた立体組織・臓器の開発に着手することを発表した。バイオ3Dプリンタや細胞シート積層技術などを用いて、骨や血管、心臓などを製造する技術の開発を目指すという。
画像はプレスリリースより
これまでiPS細胞等の培養や分化誘導など再生医療に用いる細胞を、いかに効率良く調製するかについての技術開発が精力的に行われていたが、今回のプロジェクトにより、細胞を用いて機能的な立体組織・臓器を作製する新たな技術開発段階へとステップアップさせ、再生医療製品の実用化に向けての重要な一歩を踏み出すとしている。
5つのテーマで再生医療製品の実用化を目指す
具体的には、「高機能足場素材とバイオ3Dプリンタを用いた再生組織・臓器の製造技術の開発」、「バイオ3Dプリンタで造形した小口径Scaffold free細胞人工血管の臨床開発」、「革新的な三次元精密細胞配置法による立体造形と小口径血管を有するバイオハートの研究開発」、「組織工学を用いたヒト心臓壁立体造形技術の開発」、「細胞シート工学を基盤とした革新的立体臓器製造技術の開発」、の5つのテーマを採択。委託先には29者を選定し、実用化を目指す。
事業期間は2014年から5年間、総事業費は約25億円を予定。プロジェクト期間中にはステージゲート審査を設け、高い実現性が見込まれるテーマに絞り込み、立体組織・臓器の作製技術の実用化を加速させるとしている。
▼外部リンク
・新エネルギー・産業技術総合開発機構 プレスリリース