医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 東北大 白血球の分化制御の仕組みを解明

東北大 白血球の分化制御の仕組みを解明

読了時間:約 58秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2014年11月04日 PM09:32

大阪大学らとの共同研究により

東北大学は10月22日、白血球の分化の仕組みを制御する遺伝子のスイッチ(転写因子)を発見したと発表した。


画像はプレスリリースより

これは、同大大学院医学系研究科生物化学分野の伊藤亜里研究員、五十嵐和彦教授らのグループと、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの黒崎知博教授らと共同研究によるもの。英科学雑誌「Nature Immunology」電子版に10月26日付で掲載されている。

複数の転写因子が協調して働く

これまで白血球のうち自然免疫を担う骨髄球、獲得免疫を担うBリンパ球が、造血系幹細胞からどのように分化するかなどは分かっていなかった。そこで研究グループは、遺伝子の機能を欠損させたマウスの解析を行い、Bach1 や Bach2 といった複数の転写因子が協調して働くことによって、造血系幹細胞のBリンパ球への分化が制御されていることを突き止めた。

また、これまで骨髄球、Bリンパ球への分化は、造血系幹細胞が前駆細胞になる際に決定されると考えられてきた。しかし、今回の成果によって、前駆細胞の段階では、骨髄球とBリンパ球、どちらにもなり得る能力を持っていることが示された。これはBリンパ球への分化を遺伝子発現から説明する新しいモデルだという。

感染症に対しては、自然免疫と獲得免疫のバランスが重要とされている。免疫のバランスの乱れは、感染症の重篤化、アレルギー性疾患などの発症につながると想定されることから、今回の発見は、免疫関連疾患のより詳細な理解へとつながると期待される。

▼外部リンク
東北大学 プレスリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • RET阻害薬の肺がん治療抵抗性、HER阻害薬併用で克服できる可能性-京都府医大ほか
  • MRI・CT内で安全に針の姿勢変更等が可能な球状歯車型空圧モータを開発-名大ほか
  • 統合失調症の陰性症状に「間欠的シータバースト刺激」が有用と判明-藤田医科大ほか
  • 視覚障害のある受験者、試験方法の合理的配慮に課題-筑波大
  • 特定保健指導を受けた勤労者の「運動習慣獲得」に影響する要因をAIで解明-筑波大ほか