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ニデック 自家培養角膜上皮の治験開始を発表

読了時間:約 1分24秒
2014年10月21日 PM07:00

J-TECがPMDAに治験計画届書を提出

株式会社ニデックは10月14日、再生医療ベンチャーの株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)に開発委託している自家培養角膜上皮(開発名:EYE-01M)について、その有効性と安全性の確認を目的とした治験計画届書をJ-TECが独立行政法人医薬品医療機器総合機構()に提出し、治験を開始すると発表した。


画像はニュースリリースより

治験調整医師は大阪大学大学院医学系研究科 脳神経感覚器外科学(眼科学)の西田幸二教授。大阪大学医学部附属病院をはじめ、東北大学 東北大学病院、社団同潤会 眼科杉田病院、愛媛大学 医学部附属病院の4施設の眼科で実施されることとなっている。

片眼性の角膜上皮幹細胞疲弊症患者に移植

EYE-01Mは、ニデックがJ-TECに開発委託を行い、研究開発を進めている。患者自身の角膜組織をもとに、株式会社セルシードと共同開発した「培養角膜上皮用温度応答性培養皿」で培養・製造した自家培養上皮シートを移植して用いるという。今回の治験では、片眼性の角膜上皮幹細胞疲弊症患者に移植し、角膜上皮を再建させて、視力の改善、及び眼痛、異物感、流涙、羞明、乾燥感、不快感などといった臨床症状の改善を目指すとしている。

角膜上皮幹細胞疲弊症では、角膜が混濁し、視力低下などが発生し、患者のQOLを低下させることが知られている。原因となる疾患としては、先天性の無虹彩症や強膜化角膜、外因性のものではアルカリ腐食や熱傷、内因性のものとしてはスティーブンス・ジョンソン症候群や眼類天疱瘡、その他特発性のものが挙げられる。

J-TECは、イタリア・モデナ大学の教授らから角膜培養に関する技術を導入しているほか、イタリアの角膜バンクであるベネトアイバンクから培養角膜製品に関する技術情報、製造方法等のノウハウ提供を受けている。これらを独占的に使用し、日本を含むアジア全域で培養角膜製品の製造・販売等を行うことが認められているという。

今年11月には、再生医療等製品や医療機器の承認手続きを簡素化する「医薬品医療機器等法(薬事法等の一部を改正する法律)」の施行が予定されており、新規に導入される早期承認制度もあることから、これらの活用を検討しながら進めていく方針としている。

▼外部リンク
株式会社ニデック ニュースリリース

 

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