肺がんへのPD-1免疫チェックポイント阻害薬として初の申請完了
米ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は9月29日、欧州医薬品庁(EMA)が同日、非小細胞肺がん(NSCLC)に対する「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」の販売承認申請を受理したと発表した。
画像はwikiメディアより引用 Author:Nephron
販売承認申請は、3次治療の治療歴を有する肺扁平上皮がん患者を対象とした第2相臨床試験の結果に基づいて行われた。NSCLCを対象としたPD-1免疫チェックポイント阻害薬としては、初めての申請完了である。
同社ではこのほか、すでにニボルマブの3次治療の治療歴を有する肺扁平上皮がん(NSCLC)患者への適応で、米国食品医薬品局(FDA)への段階的申請を開始しており、この申請は今年末までにも完了する見込みであるとしている。
死亡者数の多い肺がんで有効な治療選択肢として期待
オプジーボは、活性T細胞に発現するチェックポイント受容体PD-1に結合する完全ヒトPD-1免疫チェックポイント阻害薬。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が、世界7,000人以上の登録患者を対象に、複数のがん腫で単剤療法または他の治療薬との併用療法として、その有効性・安全性を検討する35以上の臨床試験で構成されるグローバル開発プログラムを進めている。
これらの臨床試験から得られたデータは、非小細胞肺がんのほか、悪性黒色腫、腎細胞がん、頭頸部がん、神経膠芽細胞腫、および非ホジキンリンパ腫についての承認申請資料となる可能性があるという。
日本では、2011年にブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業株式会社が提携契約を締結。小野薬品工業が全ての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国でのオプジーボの開発・商標化に関する権利を、ブリストル・マイヤーズが取得している。さらに今年7月23日、2社はこの戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者へ、複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として用いることができるものとなるよう、共同開発と商業化を進めることで合意した経緯がある。
オプジーボの国内製造販売承認については、今年7月4日に小野薬品工業が、根治切除不能な悪性黒色腫を適応として取得している。これが世界でもPD-1免疫チェックポイント阻害薬として、初めて規制当局の承認を取得した例になった。
肺がんは、世界で最も死亡者数の多いがんであり、ニボルマブは同疾患の患者らに新たな治療選択肢をもたらすものとなるとして、期待されている。
▼外部リンク
・ブリストル・マイヤーズ株式会社 ニュースリリース