公益財団法人 放射線影響研究所疫学部から、「日本の喫煙者の死亡率と平均寿命に対する喫煙の影響:有望なコホート研究」結果が発表された。
(写真は公益財団法人 放射線影響研究所)
同研究は、Sakata R, McGale P, Grant EJ, Ozasa K, Peto R, Darby SCによる研究結果であり、同研究所は、日米両国政府が共同で管理運営する公益法人として1975年4月1日に発足、平和目的のため、原爆放射線の健康影響について調査、日米の協力の元研究が続けられている。
調査結果として、非喫煙者と比べて喫煙者は平均寿命が短い事が判明した。男性に関しては平均寿命が8年、女性の場合は10年平均寿命が短い結果となった。
また、35歳前に禁煙をしている層では、喫煙と寿命の関係は証明されず喫煙によるリスクを回避している結果となった。
この調査は、喫煙している男性27,311人と喫煙している女性40,662人に対して実施、1963年から92年に得られた結果を分析した。
1920年から1945年(中央値1933年)に生まれた者は、それ以前の調査より喫煙本数が増加しており、男性の平均で一日23本、女性は一日17本の喫煙をしていた。このグループは男女ともに、平均寿命より短い結果となり、男性で8年(95%信頼区間1.97から2.48)、女性では10年(1.98から3.44)の減少となった。
また 男女とも35歳前で喫煙をやめた層は、喫煙リスクが出ておらず、45歳で止めた層に関してもリスクを有る程度回避している結果となった。
特定の集団を一定期間追跡調査し、その結果を元に分析を行い影響を調べる分析疫学の1手法である観測的研究である。または、要因対象研究(factor-control study)とも呼ばれる。
▼外部リンク