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ノバルティスの「ジャカビ」 真性多血症を対象とした追加承認を申請

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2014年09月18日 PM05:00

根治療法の確立されていない真性多血症治療薬として承認を申請

ファーマ株式会社は9月12日、同社が取り扱う「(R)錠5mg(一般名:ルキソリチニブリン酸塩)」について、新たに真性多血症を対象とした効能追加の承認申請を行ったと発表した。


画像はwikiメディアより引用

血液疾患の一種で、骨髄増殖性腫瘍に分類される真性多血症では、赤血球が増加し、血液粘度が亢進するため、血栓リスクが高まる。そのため、脳卒中や心臓発作などの心血管系イベントリスクが高く、結果として死亡率が上昇しやすい。また、予後不良な骨髄線維症、骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病などへの進展も懸念されるほか、脾腫や消耗性の症状を呈し、著しいQOLの低下を招くことが知られている。

日本における真性多血症の年間発症率は10万人あたり約2人と推測されているが、その根治療法は確立されておらず、異常に増加した赤血球数を低下させるため、瀉血療法や化学療法をとることが一般的治療となっている。

欧米ではすでに承認申請済み

ジャカビは米国インサイト社が創製したヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤。JAK1およびJAK2に高い選択性を持つ。真性多血症患者ではJAK2のシグナル伝達経路の恒常的な活性化がみられているため、同剤によってJAK2を介したJAK-STAT経路を阻害することで、赤血球数をコントロールし、脾腫や諸症状を改善することができると考えられている。

真性多血症患者を対象とした第3相臨床試験では、既存の治療法よりも、ジャカビによる治療が血球コントロールおよび脾腫縮小効果において有意に優れていることが確認されたという。

ジャカビについて、真性多血症治療薬としては、ノバルティスがすでに欧州で2014年6月に承認申請を行っているほか、米国では同剤を創製し米国内での開発・商業化ライセンスを保有するインサイト社が、同じく2014年6月に承認を申請している。

日本では、2011年9月8日に骨髄線維症を対象とした希少疾病用医薬品指定を受けたのち、2013年9月に骨髄線維症治療薬として製造販売承認を申請、今年7月4日に承認を取得し、9月2日よりジャカビ錠5mgとして発売している。(紫音 裕)

▼外部リンク
ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース

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