第3相試験でetanerceptとプラセボに対する優位性を確認
米イーライリリー・アンド・カンパニーは8月21日、中等度から重度の尋常性乾癬を対象とするUNCOVER試験のトップライン結果を公表し、開発中の「ixekizumab」が第3相試験の皮膚病変改善を示す全ての指標において、「etanercept」とプラセボに対し優位性を示したと発表した。
画像はwikiメディアより引用
UNCOVER試験は、3,866例の中等度から重度の尋常性乾癬患者を対象とした3本の試験からなる。患者はプラセボまたはixekizumabを、初回160mg、その後2週間または4週間ごとに80mgずつ12週間投与された。
実薬を対照とするUNCOVER-2、UNCOVER-3試験では、実薬対照群患者にetanercept50mgを週に2回、12週間投与している。UNCOVER-1試験では、治療に奏効を示した患者について、引き続きプラセボまたはixekizumab80mgを4週間または12週間ごとに、最長60週間継続投与した。
全主要評価項目と主要な副次評価項目を達成、2015年上半期にも承認申請を予定
試験の結果、ixekizumabの2種類の投与レジメンを受けた患者は、12週目のエンドポイントでプラセボ群またはetanercept群と比べて優位に良好な皮膚病変の改善を達成したという。評価は、乾癬試験において標準的な主要評価項目であるPASIおよびsPGAを用いている。
ixekizumabによる治療を4週間ごとまたは2週間ごとに受けた患者では、78~90%の患者で12週目において少なくとも75%のPASIスコア改善を達成、31~41%の患者では、12週目でPASI100とされる皮膚病変の消失に成功した。一方、etanercept群の患者でPASI100を達成したのは5~7%であったという。
ixekizumab群患者では、投与1週目にして皮膚病変の改善指標で、プラセボまたはetanerceptとの比較において統計上有意な改善が認められ、その効果は12週目まで持続した。UNCOVER-1試験では、高レベルでの治療効果が60週目まで維持されたことを確認しているという。
有害事象の発現は、3本の試験を通じてixekizumab投与群と対照群の患者とにおいて同様であり、発現率と重症度は2本の実薬との比較試験でetanerceptと同様だった。最も頻度の高い有害事象は、鼻咽頭炎と注射部位反応。ほとんどの注射部位反応は軽度であり、ほぼ全ての患者でixekizumabの治療が継続されたという。
この結果を受け、同社は2015年上半期にもixekizumabの承認申請を行う予定としている。(紫音 裕)
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・日本イーライリリー株式会社 プレスリリース