新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、国立がん研究センター、東レは18日、血液や唾液などの体液に分泌されるマイクロRNAを、新しい腫瘍マーカーとして開発する産官学のプロジェクトを開始したと発表した。日本人に多い13種類の癌について早期癌患者6万5000例の臨床検体を用い、まず乳癌で先行して感度、特異度の高い腫瘍マーカーを世界に先駆けて開発し、健康診断などの血液検査で簡便に癌の早期診断を実現させたい考えだ。
これまで腫瘍マーカーは40種類程度が開発されているが、進行した癌の治療効果を判定するために使われているのが現状。感度・特異度が低いため、癌検診に用いられているのは前立腺癌のPSAのみとなっている。また、癌検診は患者負担が大きいことから、1回の検査で低侵襲に癌をスクリーニングできる検査法が待たれていた。