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北海道経済産業省経済産業局、医療周辺領域の新市場開拓推進―バイオ企業と医療機関が連携

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2014年08月13日 AM10:27


■“ヘルシーDo”認定も実施

北海道経済産業省経済産業局は、道内バイオ企業と医療機関が連携し、バイオ技術を活用した機能性素材・食品、機器・サービス開発に乗り出す。医療現場のニーズから、両者で道産の高機能素材を使った高機能食品などを開発し、医療周辺分野で新たな市場を開拓する。高機能性が認められた食品には、北海道食品機能性表示制度(ヘルシーDo)の認定マークを付与し、調剤薬局でも販売できるようにする構想もある。医療機関とバイオ産業の橋渡しを実施する連携モデルは全国でも先駆的な取り組みとなる。

道内バイオ産業は、2000年ごろに北海道大学発研究開発型ベンチャーが登場して以来、15年連続で市場規模が拡大し、13年度売上は前年度比3・1%増の544億円と伸びている。06~09年度まで高成長を支えた研究支援・医療・医薬分野が伸び悩む中、機能性食品・化粧品が好調に推移している。

経済産業局では、道内バイオ産業が持続的に成長するために、医療機関のニーズに基づく技術を提供し、医療周辺サービスにつなげる戦略が必要と判断。「食」「観光」を戦略的に展開すべき分野とし、一体的に支える産業として、ヘルスケア・ものづくり産業を位置づけている。

昨年9月には、ブランドである食や観光など北海道地域の強みを生かす視点と、地域経営の視点に立った新たなサービス創造を目指し、「北海道ヘルスケアサービス創造研究会」を立ち上げた。

座長には、道内病院のほぼ7割をカバーする北海道病院協会理事長の徳田禎久氏が就任し、医師、給食事業者、管理栄養士、流通事業者などが連携して、健康寿命を伸長する新たなヘルスケアサービスを提供する取り組みが始まっている。

さらに今回、道が道内バイオ業界団体と北海道病院協会を仲介し、医療ニーズを出発点に、バイオ技術を活用した製品・サービス導入を推進する取り組みをスタートさせた。バイオ企業が医療機関のニーズを収集し、現場のニーズに即した新たな製品やサービス提供を目指す枠組みだ。

まずは医療機関に対して、道内バイオ企業の技術・サービスを可視化し、紹介するマップを作成。その後、医療機関とバイオ企業双方がお互いを理解できるよう、マッチングセミナーを開催し、そこでニーズとシーズを相互に共有し、医療現場の要望に応じた機能性素材・食品、機器・サービスを検討する。来年1~2月から具体的なマッチングを開始する予定だ。

特に道産食素材の強みを生かし、科学的根拠に基づく機能性食品の開発を推進していくため、ヘルシーDoの活用拡大を進める。全国的に特定保健用食品(トクホ)が広がっているが、「トクホのエビデンス取得までには一定の期間や資金が必要になり、地元の中小企業では開発が難しい」状況という。そこで道が機能性に関してエビデンスを認めた製品については、北海道認定マークを与え、機能性素材の活用やエビデンス取得の促進を図る。

販路については、病院とバイオ産業の連携づくりを進め、調剤薬局へとネットワークを広げる構想を持つ。街の健康ステーションとしての役割が期待される中、道産の機能性食品を調剤薬局で販売し、未病・予防領域で新たな市場を開拓していく構えだ。

その先には創薬での連携も見据える。経済産業局地域経済部バイオ産業課課長補佐の直江健二氏は、「短期的には物販が中心となるが、中長期的には医療機関が持つ知見や症例データを生かし、既存薬で新たな適応症を狙った医薬品開発を後押ししていきたい」と述べた。

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