抗がん剤創製を目指す共同研究・ライセンス契約の締結を発表
アステラス製薬株式会社は8月8日、英国・ロンドンのCancer Research UKと、すい臓がんを含む様々ながん治療を目的とした抗がん剤の創製を目指し、共同研究・ライセンス契約を締結したと発表した。
現在、一部のすい臓がんで遺伝子異常の蓄積や低酸素、栄養欠乏など種々のストレスによりオートファジー活性が亢進し、この活性に依存して、がん細胞が生存・増殖していることが判明している。アステラス製薬とCancer Research UKは、このオートファジーとがん細胞増殖の関連性に着目し、研究を進める方針。特に、すい臓がんに対する有望な治療につながると考えられるオートファジー制御因子を特定、検証するとしている。
2年間の共同研究で新規オートファジー抑制因子の同定目指す
共同研究は、オートファジー研究の権威であるCancer Research UKのProfessor Kevin RyanとDr. Sharon Toozeが主導するという。期間は2年間で、共同研究の成果として、有望な治療につながる新規オートファジー抑制因子が同定された場合、アステラス製薬が独占的ライセンスをもって治療薬の開発、商業化を目指していく。それに伴い、開発・商業化の進捗に応じて、アステラス製薬がCancer Research UKに対し、一定のマイルストンとロイヤルティの支払いを行うとしている。
アステラス製薬は、2013年5月からグローバルな研究公募の取り組みを開始しており、これによって新規性、独創性の高い創薬シーズを持つ海外研究者と共同研究を推進し、創薬機会の拡大と開発パイプラインの拡充を図っている。今回のCancer Research UKとの研究提携も、この取り組みの一環と位置づけられる。
共同研究を主導するKevin Ryan氏は、今回の研究について、
と述べている。(紫音裕)
▼外部リンク
・アステラス製薬株式会社 ニュースリリース