海藻由来のアルギン酸を軟骨修復治療剤として開発
持田製薬株式会社は8月6日、同社が提出していた開発課題の「硬化性ゲルを用いた関節軟骨損傷の治療」が、独立行政法人科学技術振興機構(JST)による産学共同実用化開発事業(NexTEP)に7月28日付で採択されたと発表した。
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この開発課題は、持田製薬と北海道大学大学院 医学研究科機能再生医学講座整形外科学分野の岩崎倫政教授を代表研究者とする研究チームが共同研究を行っている。海藻由来多糖類物質のアルギン酸を軟骨修復治療剤として開発し、将来的には医療機器の製造販売承認取得を目指す。持田製薬によると、すでに軟骨損傷モデル動物において効果を確認しており、今後臨床試験を実施、実用化に向け取り組んでいく予定だという。
大学などによるシーズの実用化開発支援を行うNexTEP
JSTによるNexTEPは、解決すべき技術課題などニーズをふまえた、大学などの研究成果に基づく研究シーズの実用化開発を支援するために設けられたもの。とくに開発リスクが高く、規模の大きい研究・開発を支援し、そのリスクをJSTが負担、企業単独では困難な開発をサポートする。開発に先立ち、可能性の検証などを目的として行う導入試験の実施により、効果的な実用化開発を推し進めることなども行う技術移転支援事業である。
JSTは今回、外部専門家の協力のもと、評価委員会で課題の独創性(新規性)や優位性、目標設定の妥当性、イノベーション創出の可能性、提案内容および事業化の可能性、開発リスクといった観点から審査を実施し、52件の応募の中から計8件を採択した。このうち追加の2件として採択された開発課題に、持田製薬の「硬化性ゲルを用いた関節軟骨損傷の治療」が採択された。(紫音 裕)