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カンガルーケアから「早期母子接触」に 有益性と危険性訴え

読了時間:約 1分2秒
2012年10月31日 AM09:08
、本来の意味

これまでも様々な議論が交わされてきた“カンガルーケア”。実は本来、カンガルーケアとは、早産で生まれ、NICU(新生児集中治療室)に入っている新生児と母親の絆を深めるため、NICU内で行うものだった。

(この写真はイメージです)

しかし最近では、産後すぐに新生児を母親の素肌に接触させるスキンシップ方法として知られている。

これは、母親の子どもに対する愛情を増幅させるという効果が認められている一方で、適切な処置がされないために乳児の体温が下がり、脳に酸素がいかず、仮死状態に陥るケースも発生している。

「早期母子接触」へ

そこで今回、日本周産期・新生児医学会などの関連団体は、生まれたばかりの乳児が母親と分娩室などで行うスキンシップを「早期母子接触」と名づけ、カンガルーケアと区別するよう提案した。

更に、妊娠中からその有益性と危険性をしっかりと説明した上で、母親が希望していなければならない、新生児蘇生法(NCPR)の研修を受講したスタッフを常に配置し新生児の急変に備えるなど「早期母子接触」を行う条件を示した。

「自然なお産を」と望む女性が増え、生まれてすぐの我が子を誰にも邪魔されずに抱きたいと願う母親は多い。しかし、胎内から出て肺呼吸を始めたばかりの赤ちゃんは、急激な環境の変化に対応しなければならず、適切な処置をしなければ状態が急変することも大いにあり得る。

その危険性をしっかりと理解した上で、選択をして欲しい。

▼外部リンク

日本周産期・新生児医学会などによる「早期母子接触」実施の留意点
http://www.jspnm.com/sbsv12_1.pdf

 

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