さまざまな症状を伴う難病、パーキンソン病
パーキンソン病は、日本で10万人当たり100~150人見られるとされる神経の病気です。手足の震えや筋肉がこわばり手足の曲げ伸ばしが思うようにできない、といった症状の他、精神症状なども見られるとされています。
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日本では難病に指定されているこの病気に対して、様々な方面からのアプローチが行われています。今回、アメリカ・アイオワ大学のErgun Y.Uc教授らによって、「軽度~中等度のパーキンソン病では、早足で歩くことは病気の症状改善に効果的である」との研究結果が発表されました。
早足歩行を週3回でさまざまな症状が改善
今回の研究では60人の患者さんに、週3回、45分間の早足の歩行を6か月間行ってもらいました。歩行のスピードは、およそ時速4.6キロメートル。安静にしているときの心拍数から、47%増加した状態で歩行してもらっています。これは、中程度の運動に当たります。
その結果、運動機能と気分が改善した人が15%、集中力や物事への反応を示すスコアが改善した人が14%、疲労感が改善した人が11%、心肺機能や歩行速度が改善した人が7%となりました。総合的に見ても、状態が改善されたと解釈されるに十分な結果となったといいます。Uc教授はこの結果から、手軽に取り入れられる歩行を病気とのつきあい方の1つとして是非取り入れてほしいと述べています。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
・Brisk Walking May Improve Symptoms of Parkinson’s
・Phase I/II randomized trial of aerobic exercise in Parkinson disease in a community setting