服薬における子どものQOL向上に
九州大学は6月26日、子どもの服薬補助ゼリーキット開発に関する課題解決提案ブックレットを完成させたことを発表した。
画像はプレスリリースより
これは、同大学大学院芸術工学研究院の平井康之准教授と秋田直繁助教が所属している「こども×くすり×デザイン実行委員会」と、株式会社モリモト医薬と共同で制作されたもの。服薬時の子どもや服薬管理を行う保護者のQOL向上につながる服薬のデザインの可視化を目的とした調査・研究を実施し、広く活用できるようブックレットにまとめ、公開した。
調査ならびに研究は、小学生をメインユーザーにユーザー参加型デザイン手法を用いて実施。保護者や薬剤師も参加したワークショップを通じ、子どもの日常生活の「気づき」から「課題」を抽出した。
子どもが前向きに服薬できるよう、今後のデザイン研究に活かす
嚥下のしやすさを追求した服薬補助製品の開発は、いくつかの企業で行われているが、使用する子どもの気持ちに配慮し、服薬アドヒアランスを向上させるためのデザインを行ったものは、同プロジェクトによる新しい取り組みであるという。
このブックレット作成によって、服薬アドヒアランス向上に貢献し、また薬物治療の効果を高めるためには、子どもが安心して安全に服薬できること、服薬補助ゼリーキットが使いやすく心理的・生理的に負荷がないこと、服薬に対して前向きな気持ちが持てることが大切であることを周知するとしている。
プレスリリースでは、今後の展開として
可視化されたプロトタイプの普及のみにとどまらず、社会と共有することで、広く意見を集め、今後の子どもの服薬に関するデザイン研究に活かしたいと考えています。(九州大学 プレスリリースより引用)
と述べられている。(小林 周)
▼外部リンク
・九州大学 プレスリリース