キャノーラ油は、体に良い油として知名度を上げていますが、今回2型糖尿病の患者さんにもお勧めという研究結果が、カナダ・トロント大学ら研究グループによって発表されました。
食前の血糖値が正常でも、食後に急に血糖値が上がる場合、心血管系疾患のリスクが高くなるとされています。食後の高血糖を防ぐには、グリセミック指数の低いものを取り入れることが大切だとされています。
今回の調査では、これまで心血管系疾患のリスクの低下に効果的だとされてきた全粒粉のパンを取り入れた食事と、キャノーラ油を使って作られたパン(以下、キャノーラパン)を取り入れた食事とを比較し、HbA1cの値と心血管系疾患のリスクを調べました。
141人が参加したこの調査では、キャノーラパンを食べていた人たちでは全粒粉のパンを食べていた人たちと比べて、HbA1cが大幅に下がったそうです。また、LDLコレステロールはどちらのパンを食べていたグループでも下がっており、これにより血管系疾患のリスクが7%減少する可能性があるそうです。
この効果は、コレステロール低下薬として知られるスタチンの効果に匹敵することが分かりました。この食生活で低下したコレステロールのレベルは、スタチンを20mg飲んだのと同じくらいの状態にあたるそうです。
このことから、キャノーラ油は、2型糖尿病の患者さんの血糖コントロールに良い影響を及ぼすだけでなく、心臓血管系の病気のリスクを減らすことが分かったのです。健康によいとされるキャノーラ油。毎日のお料理に、上手に活用したいですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
・Effect of Lowering the Glycemic Load With Canola Oil on Glycemic Control and Cardiovascular Risk Factors: A Randomized Controlled Trial
・Research Suggests Benefits of Canola Oil for People with Type 2 Diabetes