空気汚染はやっぱり健康に良くない
世界中のあちこちで、環境問題への取り組みが行われていますが、ひとたび汚染されたものは一朝一夕で元通りにはできないため、汚染による健康被害は現在も深刻なものがあります。
イギリスで行われた大規模な調査で、空気汚染は不整脈や肺の血栓の原因になることが、明らかになりました。
分析対象となったデータは2003年から2009年の間に記録された、200万件を超える心臓血管系のトラブルによる救急室の受診です。心臓発作は、40万件。また、心臓発作や脳梗塞で亡くなった人は60万人に及びました。
これらの記録を、それぞれの対象者の住まいと、そのエリアにおける5日間の空気汚染のレベルと照らし合わせると、関連性がみられたそうです。
不整脈や肺の血栓のリスクがアップ
汚染物質別では、近頃問題になっているPM2.5で、不整脈や肺の血栓のリスクが高くなることがわかりました。また、二酸化窒素レベルと、心臓血管系のトラブルによる入院にも関連性がみられています。
心臓発作や脳梗塞のリスクとの直接的な関係は証明されなかったものの、不整脈や肺の血栓は、心房細動や肺塞栓症の原因となりうるので、実質的には、空気汚染と心臓血管系の病気の関係が見えてきました。
きれいな空気は、健康を守るための大切な財産です。小さなことでもよいので、できることから環境問題に取り組むことの必要性を痛感させられる調査結果ですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
・Air pollution linked to irregular heartbeat and lung blood clots
・Short-term effects of air pollution on a range of cardiovascular events in England and Wales