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東京医科歯科大ら 赤血球からミトコンドリアが除去されるメカニズムを解明

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2014年06月13日 AM09:00

新しいタイプのオートファジーが関与

東京医科歯科大学は6月3日、同大難治疾患研究所の清水重臣教授と本田真也助教の研究グループが愛媛大学との共同研究により、赤血球からミトコンドリアが除去されるメカニズムを解明したと発表した。このメカニズムには、新しいタイプのオートファジーが関わっているという。研究成果は6月4日付で、国際科学誌「Nature Communications」オンライン版に発表された。


画像はプレスリリースより

人の血液中を流れる赤血球は、分化の過程で「核の除去」と「ミトコンドリアの除去」が行われるため、通常の細胞が持っている核やミトコンドリアは存在しない。これまで、「核の除去」についての研究報告はなされてきたが、「ミトコンドリアの除去」がどのように行われるかは、解明されていなかった。

一方、オートファジーは、Atg5と呼ばれる分子を使って行なわれるものと考えられていたが、同研究グループは2009年に、Atg5分子を使わない新しいタイプのオートファジーを発見していた。今回の研究は、この新しいタイプのオートファジーが、赤血球からミトコンドリアを除くために必要であることを発見したものであるという。

血液疾患の病態解析や治療に応用できる可能性も

研究グループは、新しいタイプのオートファジーが起きないマウスを作製、研究したところ、赤血球の中にミトコンドリアが大量に残されているのを発見。野生型マウスとAtg5欠損マウスの赤血球を観察したが、これらマウスの赤血球では、ミトコンドリアは正常に除かれていたという。

これらの結果から、赤血球から正常にミトコンドリアが除かれるメカニズムでは、新しいタイプのオートファジーが重要であることが明らかとなったとしている。また、赤血球からのミトコンドリア除去が行われないと、赤血球が脆弱となり、貧血になることも見出したという。

今回の研究成果は、貧血などの血液疾患の病態解析や治療に応用できる可能性があるという。また、Atg5に依存したオートファジーは、様々な生体現象や疾患にとって重要であるとは、これまでの研究から明らかになっていたが、新しいタイプのオートファジーも、同じように、様々な生体現象や疾患に関わっていることも予想されるという。研究グループは、今回の研究成果がその事実を示す第一歩となるとしている。(白井蓮)

▼外部リンク
東京医科歯科大学 プレスリリース
http://www.tmd.ac.jp/archive-tmdu/kouhou/

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