近隣病院での治療が可能に
株式会社カネカは5月20日、米国のテルモBCT社とコラボレーション契約を締結し、新型LDL吸着システムの米国治験申請を行うと発表した。
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新型LDL吸着システムとは、同社のLDL吸着カラム「リポソーバーLA−40S」と、テルモBCT社の遠心式血漿分離装置「スペクトラ・オプティア」を組み合わせたもの。
既に米国食品医薬品局(FDA)承認を受けている「リポソーバーLA−15システム」と比較して、操作が簡便で、かつ治療時間の短縮を図ることができるという。
テルモBCT社のスペクトラ・オプティアは、全米の病院に設置されており、従来のような専用装置の搬入、病院スタッフへの操作教育が不要であるため、これまで遠距離通院が必要だった患者も近隣の病院で治療を受けることが可能になるとしている。
米国の医療事情を考慮
この治療は、遺伝的な要因により体質的にLDLコレステロールが高く、食事療法や薬物療法を用いても、LDLコレステロールを正常な値にコントロールすることが難しい家族性高脂血症の患者に向けたものである。血液を体外で循環させ、血液からLDLコレステロールだけを除去する血漿浄化療法であり、血漿がリポソーバーを通過することでLDLコレステロールを吸着するという。
カネカはこれまで、日本、米国、カナダ、欧州主要国他においてリポソーバーLA−15システムを中心に展開してきたが、米国の医療事情を考慮し、強固な事業インフラを持つテルモBCT社と協働することで事業の拡大が可能と判断したとしている。(浅見園子)
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株式会社カネカ ニュースリリース
http://www.kaneka.co.jp/service/news/