日本薬剤師会は、薬局を利用する住民からのクレーム行為に備えた独自の保険として、2月15日から会員薬局向けに「クレーム対応費用保険」の取り扱いを開始する。補償期間は1年間で保険料は1店舗当たり年間9000円。1事故当たりの弁護士への相談料や着手金、報酬金など補償限度額は100万円、保険期間中1店舗当たり補償限度額は200万円となる。14日から加入対象となる薬局へ薬剤師賠償責任保険等の募集案内として送付する。
同保険は、悪質なクレームやインターネット・SNSなどソーシャルネットワークを介した一方的な情報発信や、セクシャルハラスメントなど薬局利用者、近隣住民等の第三者から過大な要求を受けた場合に備える保険を希望する声を受け、日薬オリジナルの保険として新たに設計した。
加入者は薬局開設者(法人代表者)・管理薬剤師で、薬剤師賠償責任保険の加入が条件。補償対象者が利用者(患者)や近隣住民等の第三者から過大な要求を受けた場合、法律に則った円満解決を支援する。
対象となるクレーム行為は暴行、脅迫、強要、威力(店内で業務を妨害する目的で大声を長時間発するなど)、セクシャルハラスメント、不退去(要求を受けたにも関わらず店舗等から退居しないこと)、偽計・風説の流布などに類する行為。
補償対象者は保険会社設置の専門相談窓口「クレームコンシェル」による無料相談、アドバイスなどのサービスを受けることができる。クレームコンシェル常駐の弁護士との1回の相談時間は15分で、一般的な法律相談や法制度上の助言を行う。
クレームコンシェルで解決しなかった場合は、保険会社の承認のもと、弁護士による法的対応を行い、その際には補償対象者が負担する弁護士費用を保険金として支払う。