頭頸部がんサバイバー、治療と口腔機能低下/QOLの関係を検討
岡山大学は12月26日、頭頸部がん治療が、口腔機能の低下を介して、がん治療後のQOL(生活の質)を低下させることを証明したと発表した。この研究は、同大学術研究院医歯薬学域(歯)予防歯科学の横井彩助教・江國大輔教授ら、宝塚医療大学の森田学教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「Supportive Care in Cancer」に掲載されている。
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医療技術の進歩にともない、がん治療を受けた後も、仕事をしたり、趣味を楽しんだりして生活をおくる「がんサバイバー」が増えている。これまでにも、頭頸部がん治療が、がんサバイバーのQOLに影響を与えることが知られていた。
今回の研究では、統計分析手法SEMを用い、頭頸部がんサバイバーにおける、がん治療と口腔機能低下、QOLとの関係について包括的に検討した。
頭頸部がん治療は口腔機能低下を介してQOL低下、治療後リハビリで改善の可能性
分析の結果、頭頸部がん治療は、QOLに直接影響を与えるのではなく、口腔機能の低下(口が開きにくい、しゃべりにくい)を介して、QOLを低下させることが明らかになった。つまり、頭頸部がん治療後に、歯科医院で口腔機能を改善させるリハビリを受けると、頭頸部がんサバイバーのQOLを改善できる可能性が示された。
歯科では、口腔機能を改善する取り組み(オーラルフレイル対策)が注目されている。同研究結果は、頭頸部がんサバイバーに、定期的な歯科受診を勧めるきっかけになることが期待される、と研究グループは述べている。
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・岡山大学 プレスリリース