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PTSDに対するブレクスピプラゾールP3試験、症状を有意に改善-大塚製薬ほか

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2024年12月24日 AM09:00

米国では約100人に6人が生涯のうちにPTSDと診断されている

大塚製薬株式会社は12月19日、同社の米国子会社「Otsuka Pharmaceutical Development & Commercialization, Inc.(以下、OPDC)」と「(以下、)」が実施中の成人心的外傷後ストレス障害()を対象とした、ブレクスピプラゾールとセルトラリンの併用投与におけるP3試験の詳細な解析結果が「JAMA Psychiatry」に掲載されたと発表した。

PTSDは米国で最も一般的な精神疾患の一つであり、1年間に約1300万人の米国成人に影響を与え、100人に6人近くが生涯のある時点においてPTSDと診断されている。要因となる出来事の例として、自然災害や重大事故・テロ行為・戦争・暴力・いじめなどがあるが、患者にとって精神的または身体的に有害あるいは命にかかわる経験となり、精神的・身体的・社会的に影響を受ける可能性がある。

新規抗精神病薬「(一般名:)」は、大塚製薬が創製した独自の薬理作用を有する化合物。海外ではルンドベック社と共同開発し、2015年に米国で「成人の大うつ病補助療法」および「成人の統合失調症」の2つの効能で承認され、現在、日本を含めた約60か国・地域で展開している。2023年5月には、米国で初めて「アルツハイマー型認知症に伴うアジテーション」の効能追加の承認をアメリカ食品医薬品局(FDA)より取得した。日本でも2024年9月に「アルツハイマー型認知症に伴う焦燥感、易刺激性、興奮に起因する、過活動又は攻撃的言動」の効能追加の承認を取得している。

ブレクスピプラゾール+セルトラリン併用群、プラセボ併用群と比べ症状を有意に改善

同P3試験(NCT04124614)は、ランダム化、二重盲検、並行群間比較試験で行われ、PTSDの治療におけるブレクスピプラゾールとセルトラリン併用療法の有効性と安全性を評価した。同試験には416人の成人外来患者が参加し、ブレクスピプラゾール(2~3mg/日)とセルトラリン(150mg/日)の併用群、またはセルトラリン(150mg/日)とプラセボの併用群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、投与1週目~10週目までのCAPS-5総スコアの変化量とした。

ブレクスピプラゾールとセルトラリン併用群では、セルトラリンとプラセボ併用群と比較して、CAPS-5の総スコアが統計学的に有意に改善した(併用投与群:-19.2/ プラセボ群:-13.6)。最小二乗平均差は-5.59(95% CI: -8.79~ -2.38; P<0.01)だった。CAPS-5は、DSM-5(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 5th Edition)で定義されているPTSDの診断・症状の重症度を評価するためにデザインされた臨床診断面接尺度で、面接は30項目からなり、スコアが高いほど予後が悪いことを示す。

また、副次的評価項目である臨床医による病状重症度スコア(CGI-S)の1週目~10週目までの変化および基準値(0日目)~12週目までの社会的機能の簡易目録(B-IPF)の変化も達成された。

安全性プロファイルはブレクスピプラゾールの既存の適応症と一致

ブレクスピプラゾールとセルトラリン併用群の忍容性は概ね良好であり、これまで承認された適応症におけるブレクスピプラゾールの安全性プロファイルと一致していた。有害事象による中止率は、ブレクスピプラゾールとセルトラリン併用群で3.9%(205人中8人)、セルトラリンとプラセボ併用群で10.2%(196人中20人)だった。ブレクスピプラゾールとセルトラリン併用群とセルトラリンとプラセボ併用投与群を比較した際、5%以上の頻度で発生した有害事象は、吐き気(12.2% 対 11.7%)、疲労(6.8% 対 4.1%)、体重増加(5.9% 対 1.5%)、眠気(5.4% 対 2.6%)だった。

レクスピプラゾール+セルトラリン併用療法の効能追加承認申請提出済み

なお、大塚製薬とルンドベックは2024年4月に、FDAに成人のPTSD治療におけるブレクスピプラゾールとセルトラリン併用療法の効能追加承認申請(sNDA)を提出しており現在審査中。審査終了目標日(PDUFA date)は2025年2月8日となっている。

大塚製薬取締役兼、OPDC上級副社長兼、医学責任者であるJohn Krausは「本試験結果は、ブレクスピプラゾールとセルトラリンの併用療法が、米国で数百万人いると言われるPTSD患者にとっての治療選択肢になる可能性を示している」と述べている。

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