中央社会保険医療協議会薬価専門部会は18日、2025年度中間年薬価改定の追加論点に関する議論を行い、診療側と支払側の双方から、過去2回の改定時より不採算品再算定の対象品目を絞り込むよう求める声が上がった。安定供給確保を目的とした特例措置を疑問視したもので、医療上の必要性の高い品目や従来の対応が不十分だった品目を対象にするよう求めた。
医療上の必要性は高いものの低価格である品目の薬価を引き上げる不採算品再算定をめぐっては、原材料価格高騰や供給不安に対応するため、24年度改定では製薬企業が希望する品目(乖離率7.0%超の品目は対象外)を対象に適用するなど、2年連続で特例的な対応が行われたが、安定供給への効果は限定的として特例的措置を止めるよう求める声もあった。
そのため、この日の部会では、不採算品再算定を適用する場合、「医療上の必要性の高い品目」についてどう考えるかを議論した。
診療側の長島公之委員(日本医師会常任理事)は、「2年連続で特例対応をしたが、必要な医薬品がいつも届く状況とは未だになっていない。不採算品再算定を行う場合、適用範囲は必要性がより高い品目、これまで対応が不十分だった品目に限定するなどメリハリが必要」との考えを示した。
支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)も「特例対応をこれ以上繰り返す妥当性は乏しい。実勢価改定の対象範囲を狭めるなら、不採算品再算定や最低薬価の維持に充当する財源が限定的になる」と述べるなど適用品目の絞り込みを求める声が相次いだ。
一方、4大臣合意では、中間年改定について「価格乖離の大きな品目」を対象に改定を実施するとされており、医薬品のカテゴリーごとに薬価差の程度や役割を踏まえた場合、価格乖離の大きい品目をどう考えるかも論点となった。
森昌平委員(日本薬剤師会副会長)は「過去2回の中間年改定では、医薬品のカテゴリーに関わらず一律に乖離率の倍数が適用されたが、カテゴリーごとに対応を変えるのはイノベーション推進や安定供給確保の観点からあり得るもの」とした。