一般の習慣的な実践率は12%、医学的な健康効果を検討
東京都健康長寿医療センターは12月6日、ラジオ体操の健康効果の検証に向けた研究の成果を発表した。この研究は、同センター、株式会社かんぽ生命保険、東京医科大学、NPO法人全国ラジオ体操連盟の共同研究によるもの。研究成果は、「Journal of Epidemiology」に掲載されている。
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ラジオ体操は、1928年にかんぽ生命の前身である逓信省簡易保険局によって制定され2028年に生誕100年を迎える。制定時に掲げられた「ラジオ体操によって国民が健康になり、寿命が伸び、幸福な生活を営むことができるように」という想いはかんぽ生命が継承し、これまでラジオ体操を通じた社会貢献活動としてさまざまな取り組みを行っている。
「いつでも、どこでも、誰でも」手軽に行えるだけでなく、関節や筋肉の柔軟性、バランス能力、下肢筋力、調整力、全身持久力など健康を維持するために必要な体力要素がバランスよく入っており、ラジオ体操の習慣化は、健康寿命の延伸に寄与すると考えられている。しかし、かんぽ生命が2024年8月に実施した一般消費者調査では、ラジオ体操の国内での認知率は88.2%と高い一方で、1週間に1回以上行っている方の割合は12.1%に留まることがわかった。そこで、医学的な検証結果に基づくラジオ体操の健康効果を明らかにし、一人でも多くの人にラジオ体操を継続的・習慣的に実践してもらえるよう、今回の共同研究を実施した。
12週間介入、運動能力向上には有益だったが、健康関連QOL改善の有意な影響はみられず
ラジオ体操がフレイルまたはプレフレイルの高齢者の健康関連QOL・運動能力等に及ぼす効果をランダム化比較試験(介入期間12週間)により検証した。
その結果、ラジオ体操の実践は、フレイルまたはプレフレイル高齢者の敏捷性/バランス、持久力の向上、運動を継続する自信の維持には有益であることがわかった。一方で、健康関連QOLの改善には12週間の実践では有意な差はみられなかった。
かんぽ生命は「超高齢社会を迎え、寿命が伸び、人生の長い期間にわたり、質の高い生活を維持するための取り組みが重要視されるようになった日本において、これからもラジオ体操の普及・促進を通じて健康寿命の延伸、生きがいを持てる社会の実現を目指す」と、コメントしている。
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・東京都健康長寿医療センター プレスリリース