東京都薬剤師会と東京都病院薬剤師会は、薬剤師の資質向上のための研修など事業連携に関する覚書に調印した。覚書により、両団体が実施する会員向け研修会の相互利用・共同開催、薬薬連携推進事業や、薬局・病院の実務実習など各事業に関する連携を進めていく方針だ。
11月28日の都薬と都病薬の役員懇談会で調印した。事業連携する事業は、▽薬剤師の資質向上のための研修に関する事項▽医療の質向上に資する薬薬連携の推進▽災害時における薬剤師班活動・医薬品供給▽薬剤師養成における実務実習▽都民への医薬品適正使用、健康増進の普及啓発▽双方が合意した事項――の六つ。薬剤師確保に関する事項は含めていない。
薬剤師の資質向上のための研修に関する事項では、都から委託を受けて都薬が実施する研修会の案内を都病薬に行う一方で、都病薬は各種研修会費用を同額に設定し、都薬会員がウェブから簡単に申し込めるようにするなど相互利用を図る。
災害時における薬剤師班活動や医薬品供給では、災害時薬事活動リーダー研修や都災害薬事コーディネーターとして共同事業を行うほか、都民への医薬品適正使用・健康増進の普及啓発でも両者が協力する。
薬と健康の週間街頭相談については、今年度は地域薬剤師会15地区で病院薬剤師が共同し開催した実績がある。
薬学連携推進事業では、地域包括ケアシステムにおける薬局・薬剤師の機能強化事業としてトレーシングレポート(TR)を活用した連携事業や、TRの内容充実や活発な連携を構築するための薬薬連携実践推進研修会を行う。
実務実習については認定実務実習指導薬剤師の養成で連携すると共に、都病薬で実務実習小委員会を設置したことを機に、都薬もタスクフォースを設置して協力する方向だ。