第一足根中足関節の関節面との形態と軟骨変性との関係を調査
新潟医療福祉大学は10月17日、第一足根中足関節の関節面の形態と、関節の安定性の指標とされる関節面の軟骨変性との関係について解剖学的に調査し、第一足根中足関節の関節面が3つに分かれるタイプにおいて、関節面の軟骨変性の重症度が有意に低いことが明らかとなったと発表した。この研究は、同大大学院博士後期課程2年、スポーツ医科学Lab、運動機能医科学研究所の坂本航大氏、理学療法学科の江玉睦明教授(スポーツ医科学Lab、アスリートサポート研究センター、運動機能医科学研究所)らの研究グループによるもの。研究成果は、「Scientific Reports」に掲載されている。
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第一足根中足関節の過可動性は外反母趾の一因とされている。しかし、第一足根中足関節において、関節面の骨形態が関節の安定性に関係しているのかは明らかではなかった。そこで、研究グループは、遺体を対象に、第一足根中足関節の関節面の形態と、関節の安定性の指標とされる関節面の軟骨変性との関係について調査した。
関節面が3面に分かれるタイプでは軟骨変性の重症度が低い
第一中足骨および内側楔状骨の第一足根中足関節面を詳しく見てみたところ、それぞれの関節面は4つのタイプに分類され、関節面が3面に分かれるタイプ(関節面が上下に分離し、下外側関節面が形成される3関節面があるタイプ)において、関節面の軟骨変性の重症度が有意に低いことが明らかとなった。
「今回の研究は、遺体を対象にした解剖学的な研究であり、外反母趾の進行メカニズムの解明や予防法の考案には至らなかった。今後は、生体で関節面の形態を評価する手法を確立し、外反母趾の変形進行との関係性をさらに調査する予定だ」、と研究グループは述べている。
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