同日付で小林一雅会長は特別顧問に就任した。8月8日付で山根氏が代表取締役社長、小林章浩氏が取締役補償担当に就任し、健康被害に対応する。また、今年1~6月までの役員報酬について、小林章浩氏が月額報酬額の50%を、山根氏が40%をそれぞれ自主返上することも発表した。
また同日、同社取締役会が一連の健康被害に対し、客観的な事実の調査を委嘱した事実検証委員会の調査報告書も公表した。
報告書では、コレステヘルプの摂取者の健康被害について、同社が1月中旬に初めて医師からの腎障害症例の連絡を受け、2月1日に別の病院の医師から3件の症例の連絡を受けた時点で、遅くとも2月上旬以降、全社を挙げて早急に対処すべき緊急事態だったと指摘。
製品摂取の消費者の安全を最優先に考え、健康被害の状況の公表や製品回収という選択肢に力点を置き、直ちに症例報告を行った担当医師や外部専門家(医師・弁護士)とコンタクトを取り、行政当局に相談して積極的にその力を借りるという姿勢がより強く求められたと言及した。
品質管理体制では、大阪工場などでは紅麹原料にかかる製造ラインの品質管理を含めた業務は現場担当者にほぼ一任されるなどの実態があった。人手不足も常態化しており、当該製品の原料ロット製造時に、紅麹培養タンクの蓋の内側に青カビの付着を品質管理担当者に伝えたが、「青カビがある程度は混じることがある」とし、対処していなかったことなどの証言があったと指摘。品質管理体制のあり方に改善の余地があるとした。
また、同社が健康問題を認識して以降、その被害を公表した3月22日までの間、直接製造担当者に製造過程の問題を尋ねるなど製造の実態把握の積極的な試みを行わなかったことも指摘している。
これら調査報告の指摘を受け、同社は「健康被害について3月22日の公表は適切でなかったと言わざるを得ない」と初動体制の遅れを認めた上で、「重く受け止め、被害者の方々への謝罪と補償に真摯に取り組むと共に、信頼回復と再建に努めたい」としている。