EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がんに
ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社は5月7日、同社の腫瘍領域パイプラインから初となる分子標的薬「ジオトリフ錠 20mg/同30mg/同40mg/同50mg(一般名:アファチニブマレイン酸塩)」の発売を同日より開始すると発表した。
画像はWikiメディアより引用
ジオトリフはEGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がんに対する効能効果で、経口の抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤として、今年1月17日に厚生労働省より製造販売承認を取得。4月17日に薬価収載されていた。
世界初の不可逆的ErbBファミリー阻害剤として注目
肺がんは世界でもっとも死亡者の多いがんであり、日本でも年間約10万人が新規に肺がんと診断され、約7万人が死亡している。そのうち非小細胞肺がんは、肺がん全症例の約90%を占める。細胞の増殖に関与する、上皮成長因子受容体(EGFR)のチロシンキナーゼを選択的に阻害する薬剤が用いられるようになり、治療成績も飛躍的に向上した。
ジオトリフもErbBファミリーの1つEGFRに対するチロシンキナーゼを選択的に阻害するが、特徴的なのは不可逆的な阻害作用を示す点であり、世界初の不可逆的ErbBファミリー阻害剤として注目を集めている。また、EGFR(ErbB1)と同様に、ErbBファミリーに属するヒト上皮成長因子受容体(HER2)ならびにヒト上皮成長因子受容体(HER4)のチロシンキナーゼに対しても、それらのリン酸化を持続的かつ選択的に阻害することが確認されている。
なお、これまでの臨床試験結果からジオトリフの副作用として、下痢や皮膚症状が高頻度で発現することが報告されており、日本ベーリンガーインゲルハイムでは、こうした副作用に対する適切な管理が行われるよう、十分な情報提供と理解の推進に努めていくとしている。(紫音 裕)
▼外部リンク
ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社 プレスリリース
http://www.boehringer-ingelheim.jp/news/