日本老年薬学会は、高齢者施設でのポリファーマシー対策を実行するために、「服薬回数を減らし、昼1回に服薬を集約する」とした服薬簡素化を提言した。マンパワー不足が課題となっている施設職員の負担を減らすため、昼の時間帯に服薬を集約するのが狙い。昼1回の服薬簡素化を実行している施設は国内で確認されていないものの、施設や高齢者にメリットが期待できるとし、関係団体を通じて高齢者施設に働きかけていく。
同学会は、2023年9月からワーキンググループを立ち上げ提言をまとめた。丸岡弘治氏(介護老人保健施設横浜あおばの里薬剤部)は17日に都内で記者会見し、「誤薬など医療安全の向上や、本人・職員の負担軽減がメリットになる」と述べた。ただ、注意点として、全ての処方について服薬回数を減らせるわけではなく、「医師や薬剤師の指導を受ける必要がある」と話した。