中央社会保険医療協議会は15日の総会で、アストラゼネカの抗癌剤「イミフィンジ点滴静注」(一般名:デュルバルマブ遺伝子組み換え)が用法用量変化再算定、アレクシオンファーマの重症筋無力症改善薬「ユルトミリスHI点滴静注」(ラブリズマブ遺伝子組み換え)と類似薬「ソリリス点滴静注」(エクリズマブ遺伝子組み換え)が市場拡大再算定の要件に該当したことから、新薬収載の機会に薬価を引き下げることで了承した。8月1日から適用する。
イミフィンジは、120mg2.4mL1瓶の現行薬価7万6355円を6万7871円、500mg10mL1瓶の31万0154円を27万5693円に約11%引き下げる。主な効能・効果である「切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法」に対し、昨年11月に用法用量の変更が行われたことによるもの。
一方、「ユルトミリスHI点滴静注」の300mg3mL1瓶が69万9570円から65万9985円、1100mg11mL1瓶が256万5090円から241万9945円、「ソリリス点滴静注」の300mg30mL1瓶が65万0826円から61万5752円と約6%引き下げる。
ユルトミリスHI点滴静注については、2023年5月に「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」の効能・効果が追加され、効能変更の承認を受けた日から10年を経過していないが、NDBデータに基づく検討を行ったところ「年間販売額が350億円超かつ、基準年間販売額の2倍以上」という要件に該当すると判断したため、市場拡大再算定が適用されることになった。類似品の共連れルールで、ソリリスにも再算定による引き下げが行われる。
用法用量変化再算定・市場拡大再算定品目については、効能変更等が承認された既収載品と2年度目以降の予想販売額が一定額を超える既収載品について、一定規模以上の市場拡大のあった場合、新薬収載の機会(年4回)を活用して、薬価を見直すこととされている。