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バビースモ、網膜色素線条P3試験で主要評価項目達成-中外

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2024年04月17日 AM09:30

新生血管を伴う場合は予後不良の希少疾患、従来治療では効果不十分

中外製薬株式会社は4月15日、バビースモ(R)(一般名:)について、新生血管を伴う網膜色素線条対象の国内第3相臨床試験(NIHONBASHI試験)で主要評価項目を達成したことを発表した。

網膜色素線条は、網膜の一部が断裂し、眼底に特徴的な線状の色調変化(色素線条)が見られる疾患。無症状であることが多いが、眼底の中央の黄斑部に脈絡膜新生血管が及ぶと視力低下やゆがみなどの症状が出現する。新生血管を伴う場合は予後不良であり、従来の手術やレーザー等の治療では十分な効果を得ることが難しく、新たな治療薬が求められている。日本の患者数は明らかにはなっておらず、網膜色素線条を約半数で合併すると知られており、指定難病の一つの弾性線維性仮性黄色腫の患者数は約300人だ。

Ang-2とVEGF-A経路を阻害、新生血管を伴う加齢黄斑変性などで承認済み

バビースモは、眼科領域において承認された初のバイスペシフィック抗体。アンジオポエチン-2(Ang-2)と血管内皮増殖因子-A(VEGF-A)を中和することにより、視力を脅かす多くの網膜疾患の原因である2つの経路を標的とし、阻害する。Ang-2とVEGF-Aは、血管構造の不安定化により、漏出を引き起こす血管を新たに形成し、炎症を起こすことで視力低下を引き起こすとされている。バビースモはAng-2とVEGF-Aが関与する経路を遮断することで、血管を安定させるよう設計されている。

バビースモは、新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)の治療薬として、米国、日本、英国、EUを含む世界50か国以上で承認されており、3月26日には網膜静脈閉塞症(RVO)に伴う黄斑浮腫の治療薬としても国内で承認された。その他の規制当局による審査は継続中。

12週時点での視力改善を確認、忍容性おおむね良好

NIHONBASHI試験は、新生血管を伴う網膜色素線条患者を対象に、バビースモの有効性と安全性を評価した多施設共同単群国内第3相臨床試験。同試験に24人が登録された。主要評価項目は、12週時点のベースラインからの最高矯正視力(BCVA、メガネ等で矯正した場合を含め、視力表の文字を読む際に達成可能な最高の状態における視力)スコアの平均変化量。副次評価項目は、52週時点のBCVAスコアの平均変化量、中心領域網膜厚のベースラインからの変化量の経時変化、および安全性が含まれる。

試験の結果、12週時点において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある視力改善を確認。バビースモの忍容性はおおむね良好であり、新たな安全性上の懸念は示されなかった。

日本人で初めて網膜色素線条の視力改善、規制当局に成績提出予定

同社の奥田修代表取締役社長CEOは、「網膜色素線条は、国内において承認された治療薬がない希少疾病。本疾患を対象にした試験において、バビースモが日本人で初めて良好な視力改善を示したことを大変嬉しく思う」と、述べている。なお、同試験の成績は、実施国である日本の規制当局への提出を予定しており、今後の医学系学会で発表される予定だとしている。

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