厚生労働省は26日、薬剤師の臨床研修で実施すべき研修内容や方法を示した「薬剤師臨床研修ガイドライン」をまとめ公表した。臨床現場で勤務する全ての薬剤師が対象で、研修期間は原則1年間以上とし、そのうち必修研修項目として調剤業務3カ月間、病棟業務6カ月間、在宅訪問を1カ月間含めるよう促す。医療機関や薬局の臨床研修の標準化に役立て、卒前から卒後までシームレスな教育体制を構築して薬剤師の資質向上を図る。
厚労省の研究班が2021~23年度に実施した事業で、臨床現場で勤務する薬剤師が身に付けるべき知識・技能・態度を習得するために必要となる標準的な研修プログラムを検討し、指針化したもの。
研修期間は、患者が経験する一連の過程である急性期・慢性期医療に関する薬剤師の役割を学ぶため、必要な研修項目の習得には1年間の研修が必要と判断。調剤業務は3カ月間程度とし、病棟業務は6カ月間程度の期間を必修とした。
研修施設は、薬局を含む複数施設が連携して研修を行うことが可能で、必ず在宅訪問研修を含める。
臨床研修は調剤業務から開始し、病棟業務は4カ月目以降に開始する。地域連携については病棟業務の期間を中心に年間を通じて実施。在宅訪問は、研修期間を1カ月間程度とし、研修後期(10~12カ月目)に実施することが望ましいとした。各研修病院の特徴を生かし、病院の体制に応じて研修者の習得度に合わせたプログラムを構築して良いが、病棟業務研修は6カ月間程度行うこととした。
病棟業務では、一般的な内科・外科領域をローテーションして病棟当たり1~2カ月間を目安として、6カ月間程度の研修を行う。研修期間中50人程度の患者を担当し、そのうち積極的に薬学的介入した症例のうち10症例程度を研修成果として症例報告会等で報告させることとした。