3月に行われる日本薬剤師会の会長候補選挙は、安部好弘副会長(東京都)、田尻泰典副会長(福岡県)、岩月進常務理事(愛知県)の3氏が争う構図となりそうだ。2日に開催された九州・山口地域の代表者会議で田尻氏が会長選への出馬を表明。福岡県薬剤師会会長の原口亨常務理事は当初出馬が取り沙汰されたが、会長選への立候補を見送り、九州・山口ブロックは田尻氏への支援で一本化する方向だ。
5期10年の長期政権を築いた山本信夫会長の後継をめぐって、4期8年ぶりの選挙戦の様相で、既に安部氏と岩月氏は会長選に名乗りを上げていたが、公示直前のタイミングで田尻氏も出馬を表明した。
田尻氏は本紙に、出馬を表明した背景について「これまで薬剤師会の役員をやってきたが、次の世代につなぐための最後のご奉公をしたい」と決意を語った。
会長としてやり遂げたいことに「次代の日薬を担う若手薬剤師の発掘」を挙げた。「若手薬剤師が医療職能を持って仕事をする上で、臆することなく薬剤師のビジョンを持って戦う環境を作りたい」と語った。
また、規制改革推進会議への対応を重要な政策課題に位置づけた。「薬剤師が薬の専門家として、『できないことはできない』と言うことも大事だが、利用者の目線で工夫できることは工夫していくことも重要になる」と強調。利用者の声や薬局現場の状況を見ながら、規制改革推進会議からの提言に単に反対するだけでなく、検討すべき課題については必要に応じて対応を検討する組織の柔軟性が今後必要になるとした。
会長候補者、副会長候補者選挙は9日に公示され、立候補の受付を開始。今月下旬には届出を締め切る。3月10日に開催される臨時総会で選挙を行い、候補者を決定する。