鈴木俊一財務相と武見敬三厚生労働相は20日、2024年度予算案の大臣折衝を行い、診療報酬改定率について医療の技術料に当たる「本体」を0.88%(国費800億円程度)引き上げることで合意した。このうち0.61%を病院薬剤師などの医療関係職種に対する賃上げ措置分、0.06%を入院時の食費基準額引き上げで対応する一方、生活習慣病を中心とした管理料、処方箋料等の再編等の効率化・適正化として0.25%の引き下げ財源を捻出。実質0.46%増と前回22年改定と同水準だった。0.61%分の各科改定率の内訳は医科0.52%増、歯科0.57%増、調剤0.16%増で、技術料に基づく各科の配分比率は「1:1.1:0.3」を維持した(関連記事2面)
■長期品「4分の1」で決着
診療報酬の本体部分はプラス0.88%だが、平均乖離率を踏まえて実施される通常の薬価改定で0.97%(国費1200億円程度)、材料価格改定で0.02%(国費20億円程度)引き下げるため、診療報酬全体では0.12%のマイナス改定となる。0.94%減となった前回改定からはマイナス幅が大幅に縮小した。
薬価0.97%引き下げの内訳を見ると、革新的医薬品の薬価維持や有用性系評価の充実などの対応、約2000品目を対象とした不採算品再算定の特例的対応に充てる。