CKD有する2型糖尿病対象、腎障害の進行への効果をプラセボと比較
デンマークのノボ ノルディスクファーマは10月10日、セマグルチド(遺伝子組換え)(販売名:オゼンピック(R)皮下注)について、慢性腎疾患(CKD)を有する2型糖尿病患者を対象の腎障害の進行に対するセマグルチドの効果をプラセボと比較した試験「FLOW試験」の早期終了を決定したと発表した。
週1回皮下投与のセマグルチドは、0.5mg、1.0mgおよび2.0mgの用量で承認されており、2型糖尿病の成人における血糖コントロール改善のための食事および運動療法の補助療法として、また2型糖尿病および心血管系疾患の既往を有する成人における主要な心血管系イベントのリスク低減を適応症としている。なお、海外で承認されている同剤の適応症は、日本で製造販売承認を得ているオゼンピック皮下注の用法・用量および適応症とは異なる。
FLOW試験はCKDを有する2型糖尿病の成人対象に、腎機能障害の進行予防、腎死および心血管系疾患による死亡リスク低下に関して、標準治療の補助療法として追加したセマグルチド1.0mgとプラセボを比較する、無作為割り付け、二重盲検、並行群間、プラセボ対照試験。同試験は2019年に開始され、28か国、400以上の治験実施施設で3,534人が試験に組み入れられている。
同試験の主要目的は、5つの要素(CKDを有する2型糖尿病の成人におけるeGFRのベースラインからの持続的な50%以上の低下の発現、持続的なeGFR(CKD-EPI)15mL/min/1.73m2未満の発現、慢性腎代替療法(透析または腎移植)の開始、腎死、心血管死)からなる複合主要評価項目に基づき、CKDの進行を遅延させ、腎死および心血管死のリスクを低下させることを検証することだ。主な副次評価項目には、eGFR(CKD-EPI)の年換算の変化率、MACE(非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、心血管死)からなる複合エンドポイントの最初の発現までの時間、およびあらゆる原因による死亡までの時間が含まれる。同試験の治験実施計画書では、事前に規定した数の主要評価項目イベントが発生した時点で中間解析を行うこととしている。
中間解析で有効性が一定の基準を満たす
今回の早期終了の決定は、第三者のデータモニタリング委員会(DMC)からの勧告に基づくもの。中間解析の結果が有効性に関し、早期に試験を終了するための事前に規定された一定の基準を満たしたと結論付けられた。中間解析による早期終了の決定に基づき、試験終了プロセスが開始される。試験の完全性を担保するため、同社は試験完了まで結果の盲検化を維持する。なお、2024年上半期中にFLOW試験結果が得られる予定だとしている。
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・ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 プレスリリース