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新しいクラスの血友病A治療薬、オルツビーオ承認-サノフィ

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2023年09月28日 AM09:55

週1投与で週の大半にわたり高い活性維持

サノフィ株式会社は9月25日、高活性維持型血液凝固第VIII因子製剤オルツビーオ(R)(一般名:(遺伝子組換え))について、「血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を効能・効果として、製造販売承認を取得したと発表した。

希少疾患の血友病Aは、血液凝固因子の欠乏により血液が凝固する機能が損なわれ、関節における過度の出血や自然出血が生じる。そのため、関節障害や慢性疼痛が現れ、生活の質(QOL)が損なわれる恐れがある。血友病Aの重症度は、血液中の凝固因子活性レベルで評価され、出血リスクと血液凝固因子活性レベルは、逆相関の関係にある。

オルツビーオは、新しいクラスの高活性維持型血液凝固第VIII因子製剤。週1回の投与で血液凝固第VIII因子活性を週の大半にわたり正常~ほぼ正常範囲(40%超)に高く維持することができるとされる、世界初で唯一の血友病A治療薬。成人における同剤の半減期は、従来の半減期標準型製剤や半減期延長型製剤と比べて3~4倍長く、その活性を1週間の大半にわたり正常~ほぼ正常範囲に高く維持することができるとされる。既存の血液凝固第VIII因子製剤の半減期は、フォン・ヴィレブランド因子の半減期に依存するが、同剤はこの制限を受けない。同剤は、Fc融合技術に加えてフォン・ヴィレブランド因子(VWF)の一部とXTENポリペプチドを組み込むことで、より長時間にわたり循環血中に存在できるよう設計されている。同剤は、成人および小児の血友病Aにおける定期補充療法、出血時補充療法、ならびに周術期管理に使用できる。オルツビーオは50IU/kgを基本の用量とし、この用量は年齢や臨床状態、活動レベルによらず、あらゆる患者に対して適用される。

オルツビーオは、米国で2023年2月に承認された。それに先立ち、2017年8月にオーファンドラッグに、2021年2月にファストトラックに、そして2022年5月には血液凝固第VIII因子製剤として初のブレークスルーセラピー(画期的治療薬)に指定された。欧州では2019年6月にオーファンドラッグに指定され、2023年5月に承認申請している。

12歳以上の重症血友病A、既存の定期補充療法と比べABR77%減

今回の承認は、The New England Journal of Medicineに掲載された12歳以上の重症血友病A患者を対象としたピボタル第III相XTEND-1試験と、12歳未満の小児患者を対象としたXTEND-Kids試験を含む、重症血友病A患者から得られた良好な試験結果に基づくもの。

XTEND-1試験の結果、オルツビーオの週1回投与による定期補充療法は主要評価項目を達成。重症血友病Aにおいて優れた出血抑制効果を示し、年間出血率(ABR)の平均値は0.71(95% CI:0.52-0.97)、ABRの中央値は0.00(Q1, Q3:0.00, 1.04)だった。また、重要な副次評価項目を達成し、前治療の既存の血液凝固第VIII因子製剤による定期補充療法との患者内比較でABRの77%減と有意な減少を示した(p<0.001; 95% CI: 58%-87%)。

12歳未満の小児、ABR平均値0.6、中央値0

小児を対象としたXTEND-Kids試験の最終結果より、オルツビーオの週1回投与を52週間受けた12歳未満の小児(n=73)におけるABRの平均値は0.6(95% CI:0.4-0.9)、ABRの中央値は0(Q1, Q3:0.0, 1.0)だった。XTEND-Kids試験の詳細な結果は、2023年7月に開催された国際血栓止血学会(ISTH)年次総会で発表されている。

試験全体を通して、同剤の安全性プロファイルが確立されたとしている。同剤の投与後に血液凝固第VIII因子に対するインヒビターの発現は認められなかった。発現頻度が10%以上の副作用は、頭痛と関節痛だった。

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