日本など約40か国で成人GPP急性症状への治療薬として承認
独ベーリンガーインゲルハイムは7月4日、スペソリマブについて、膿疱性乾癬(GPP)患者対象のEFFISAYIL(TM)2試験の最新データを発表した。研究成果は、第25回世界皮膚科学会(WCD)で発表された。
スペソリマブは、インターロイキン36受容体(IL-36R)の作用を特異的に阻害する新規ヒト化選択的抗体。IL-36Rは、GPPを含む複数の自己炎症性疾患の病因に関連することが明らかになっている。同剤は、検出力のある無作為化プラセボ対照試験で、成人GPP患者の急性症状に対する治療薬として効果が検証された初の承認薬。現在、米国、日本、中国本土、欧州連合(EU)を含む約40か国において、成人におけるGPPの急性症状に対する治療薬として規制当局の承認を取得している。なお、同剤は、他のIL-36が病態に関わる皮膚疾患の治療薬としても、研究が進められている。
GPPの急性症状は、痛みを伴う膿疱が全身に表れ、救急医療が必要になることが多く、敗血症、ショック、多臓器不全など、命に関わる重篤な合併症につながる場合もある。また、緊急対応が必要となる症状がなかったとしても、急性症状がいつ再発するかわからない状態で生活することは、患者にとって大きな精神的負担となる。
高用量群、プラセボと比較でGPP急性症状の再発リスクを有意に84%低減
EFFISAYIL臨床試験プログラムは、最大規模かつ幅広いGPP患者を対象に、IL-36経路を特異的に標的として治療薬の評価を行ったプログラム。第2b相臨床試験のEFFISAYIL2試験では、123名のGPP患者が参加した。同試験の結果、スペソリマブがGPPの急性症状の再発を効果的に予防した。高用量群では、GPPの急性症状の再発リスクをプラセボと比較して有意に84%低減することが明らかになった。また、投与後4週以降に急性症状の発現は報告されなかったことが示された。
なお、同試験において、スペソリマブは、良好な安全性プロファイルを示し、有害事象の発生率は、スペソリマブ群とプラセボ群で大きな差異はなかったとしている。
GPP急性症状の再発予防で、FDAなどブレークスルーセラピー指定
スペソリマブは、GPP急性症状の再発の予防のための開発中の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)、中国国家薬品監督管理局(NMPA)の医薬品評価センター(CDE)より、ブレークスルーセラピー指定(BTD)を受けた。
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・日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 プレスリリース