和歌山県立医科大学薬学部は、県内推薦枠(定員15人)で入学した学生の卒後2年間の地域研修に、国の地域医療介護総合確保基金を活用することを検討している。卒後の地域研修体制として、一般的な薬剤師レジデント制度と同様に、給料を受け取り県内の病院や薬局で働きながら研修を受けられる仕組みを構築する計画で、給料の財源に同基金を活用する道筋を探る。和歌山県の医療計画や事業に同方針を盛り込んでもらいたい考えで、今後県と協議を進める。
県内推薦枠は、和歌山県の薬剤師不足や偏在を解消する対策の一つとして、薬学部新設時に設定された。県の高校に通う生徒や県在住の高校生を対象に優遇入学枠を設ける一方、卒後は県内の病院や薬局で2年間の研修を受ける義務を課した。給料を受け取り働きながら学ぶレジデントの身分や、給料の財源をどう設計するかが課題で、学内外で協議を進めている。