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タバコから、命にかかわる病気の治療薬が開発できる?

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2014年04月10日 AM06:20
命にかかわる伝染病の治療薬はタバコから?

ウエストナイル熱(または、西ナイル熱)という病気のことを耳にしたことがありますか? アフリカで発見された、蚊を媒介とする伝染病で、中東、中央アジア、ヨーロッパ、アメリカなどでも感染の報告があります。

(画像はwikiメディアより引用 by Ponta2

感染すると脳症を引き起こすことがあり、脳や脊髄が冒され、命にかかわる恐ろしい病気だとされています。

この病気の治療法は、各国で研究が続けられているのですが、この度、医療関連のニュースでは悪者として報じられることの多い「タバコ」から、治療薬が開発できる可能性がアリゾナ州立大学ら研究チームによって指摘されました。

コストや効果は実用を目指せるレベル

ウイルスによって感染するウエストナイル熱の治療には、モノクローナル抗体が有効であるとされています。モノクローナル抗体は、ウエストナイル熱のウイルスの他、がん細胞など、特定の細胞に組み込まれている目印を見つけて、この目印に対する抗体を作って、ターゲットにする細胞のみと戦うことができるのです。

今回開発された治療薬の候補はタバコのもととなるたばこ属の植物から作られ、すでにマウスに対する実験でその効果が確認されたそうです。また、コストや効果の面でも、今後実用化に向けての取り組みを行う価値があるとのことです。

健康に対しては、「百害あって一利なし」とも言われてきたタバコですが、このように、命を救う薬に使われることもあるのですね。モノクローナル抗体の開発も、すばらしい発見ですが、タバコを悪者と決めつけずに取り組んだ目の付け所には驚かされますね。(唐土 ミツル)

▼外部リンク

Generation and Analysis of Novel Plant-Derived Antibody-Based Therapeutic Molecules against West Nile Virus
http://www.plosone.org/article/

Using tobacco to thwart West Nile virus
http://www.biodesign.asu.edu/news/

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