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コロナ禍での休校中、夜型に近かった小中学生は再開後の睡眠習慣に大きな変化-東大

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2023年01月27日 AM11:10

臨時休校中から学校再開後、子どもたちの睡眠・食事習慣はどのように変化したのか

東京大学は1月26日、COVID-19の流行による臨時休校から学校が再開された直後と学校再開後に小中学生4,084人に対して縦断調査を実施し、学校の再開により子どもたちの睡眠習慣が大きく変化していたこと、夜型に近い子どもでは変化がより顕著であったことが示されたと発表した。この研究は、同大学未来ビジョン研究センターの杉本南特任助教、大学院医学系研究科の村上健太郎助教、佐々木敏教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「Journal of Nutritional Science」に掲載されている。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

COVID-19の流行により、日本を含め、世界の多くの国で臨時休校が実施された。日本では、臨時休校中の学齢期の子どもたちの睡眠と食事の時刻パターンの分析から、平時より著しく遅い時刻に起床し朝食をとっている子どもたちがいたこと、その子どもたちでは不健康な生活習慣を持つリスクが高いことが示された。長期の臨時休校中の生活習慣は、学校が再開された後の生活習慣にも影響している可能性があるが、学校再開後の睡眠習慣、食事習慣の変化は明らかになっていない。そこで今回の研究では、1)臨時休校から学校が再開した後の小中学生の睡眠習慣と食事摂取量の変化を調べること、2)臨時休校中の睡眠と食事の時間的パターンの違いによる変化の有無について検討すること、を目的とした。

就寝・起床時刻、、主な栄養素および食品群の摂取量を休校中と再開後で比較

調査では、全国14都道府県の47の学校・団体に所属する小中学生を対象とした。2020年6月(臨時休校中の生活習慣の測定)と2020年7月から2021年2月(学校再開後の生活習慣の測定)の2回に、質問票(簡易型自記式食事歴法質問票を含む)を配布した。初回調査でリクルートされた1万1,958人のうち、2回の調査の両方で質問票に回答し、必要な変数のそろっている4,084人の子ども(8〜15歳)が解析対象となった。就寝および起床時刻、睡眠時間、主な栄養素および食品群の摂取量を、臨時休校中と学校再開後とで比較した。さらに、潜在クラス分析から得られた臨時休校中の睡眠・食事の時刻パターンの4つのクラス間で、これらの変数の変化を比較した。

臨時休校中の起床と朝食の時刻から、異なる4つの生活パターンを発見

潜在クラス分析により、特に、起床と朝食の時刻が異なる4つのパターンが見いだされた。4つのパターンは、時刻の順に、「非常に早い(6時頃に起床、6~7時頃に朝食)」、「早い(7時頃に起床、7時頃に朝食)」、「遅い(7~8時頃に起床、8時頃に朝食)」、「非常に遅い(8~10時頃に起床、9~10時頃に朝食)」とラベル付けされた。起床と朝食の時刻が早いパターンでは、学校のある平時と同様の時刻に起床し朝食をとっていると思われたが、遅いパターンでは、早いパターンと比較して、起床、、昼食の時間帯が1~2時間以上遅くなっていた。

起床・朝食が遅かった子どもたち、再開後の起床時刻、睡眠時間、清涼飲料類摂取量の変化「大」

学校の再開後、全体として、参加者の起床時刻は休校中より1時間早くなり、睡眠時間は0.94時間短くなった。食事摂取量は、チアミン、ビタミンB6、カリウム、果物類、乳製品類で増加が見られ、砂糖・菓子類、清涼飲料類で減少が見られたものの、効果量は小さかった。また、休校中に起床と朝食の時刻が遅いパターンを持っていた子どもでは、起床時刻、睡眠時間、清涼飲料類の摂取量の変化がより大きい傾向がみられた。結論として、学校に通うことが、子どもたちの睡眠習慣、とくに起床時刻に大きな影響を及ぼすことが示唆された。食事摂取量については、子どもたちの家族が、COVID-19の流行下で子どもたちの健康と食事に気を遣っていたために、学校の再開後も大きく変化しなかったと考えられる。

再開後に睡眠習慣への変化が大きい子どものタイプが明らかに

今回の研究により、長期に学校が休校になった際、平時より著しく遅い時刻に起床し朝食をとっている子どもでは、学校再開後に睡眠習慣への変化が大きいことが明らかになった。「将来、感染症や災害等による長期の休校が起き、その後学校が再開すると、夜型に近いタイプの子どもでは、睡眠習慣の変化への影響が大きくなる可能性が示唆された」と、研究グループは述べている。

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