併用療法に加えて単剤療法も
大塚製薬株式会社は3月7日、部分発作に対する他の抗てんかん薬との併用薬として2010年に国内で発売した「イーケプラ(R)」について、併用療法に加えて単剤でも使用できるよう、厚生労働省に申請したと発表した。
(画像はプレスリリースより)
てんかんは慢性の脳疾患で、人種・性別に関係なく約1%の頻度で、世界中で発症している。特に小児期と高齢期での発症率が高く、国内で患者は約100万人と推定されている。
薬物相互作用の少ない単剤療法
てんかん治療の中心は薬物療法であり、適切な診断に基づいた単剤治療を開始すると、約7割が発作のない生活をおくることができる。しかし一方で、従来の抗てんかん薬は副作用や薬物相互作用などの問題があった。
イーケプラは、海外ブランド名「Keppra(R)」で1999年に米国で発売以来、100ヵ国以上、600万人の患者に使用されている。既に欧州では単剤療法の第一選択薬としても使用されている。
関連学会の要望を受けて申請へ
今回の申請は、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、「部分発作に対する単剤療法」の適応取得に向けて、関連学会から開発要望が提出。検討会議にて必要性が高いとの評価を得て、2012年4月に開発要請があり、これを受けて試験を実施、申請に至ったもの。
イーケプラは、国際抗てんかん連盟でも単剤での使用について有効性のエビデンスが高い薬剤と位置づけている。この申請によって、てんかんの治療がより低リスクで効果の高いものになることが期待される。(長澤 直)
▼外部リンク
大塚製薬株式会社 プレスリリース
http://www.otsuka.co.jp/company/release/2014/