第2次岸田改造内閣が10日に発足し、自民党社会保障制度調査会長の加藤勝信氏が厚生労働大臣に就任した。加藤氏の厚労相登板は3回目。12日に行われた就任後初の記者会見では、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症対策について、きょう17日の薬事・食品衛生審議会で医療用抗原定性検査キットのOTC化に向けた議論を行う考えを示した。
加藤氏は就任に当たり、岸田文雄首相から、コロナに対する医療提供体制、予防・発見から早期治療までの流れを強化すると共に、段階的見直しを行って一日も早い社会経済活動の正常化を目指すよう指示されたと説明した。
このうち、抗原検査キットに言及。キットをめぐっては、家庭で陽性・陰性をセルフチェックしてより早期の受診につなげることを目的に、厚労省が昨年9月から薬局での販売を特例的に認めている。
国内の感染拡大が続く現況から、薬局の休日や夜間、在宅でもインターネットを通してキットを容易に入手したいとの声が強まっていたことから、厚労省は、10日の「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」で、医療現場への供給を前提に、OTC化に向けて具体的な検討を進める方針を示していた。
これらを踏まえ、加藤氏は「足下の医療現場への供給に最大限取り組みつつ、薬食審医療機器・体外診断用部会を17日に開き、OTC化に向けて具体的な議論を行ってほしい。キットを求める人が入手しやすくなるよう、鋭意検討を進めたい」との考えを示した。
医療現場の負担軽減を目的とした感染症法改正のスケジュール、見直し内容については「現時点で具体的なことは言えない」とした。