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バビースモ、投与間隔の延長で治療の負担減期待-中外

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2022年07月29日 AM10:00

抗VEGF薬で十分な効果が得られないケースの新たな選択肢に

2022年6月24日、中外製薬が開催した眼科領域初のバイスペシフィック抗体であるバビースモ(R)(一般名:<遺伝子組換え>)の説明会において、東京女子医科大学医学部眼科教授 飯田知弘氏が講演を行い、同剤の特徴と期待を示した。


東京女子医科大学医学部眼科教授 
飯田知弘氏

2022年5月に発売された眼科用VEGF/Ang-2阻害剤であるバビースモは、従来の抗VEGF薬と異なり、血管内皮増殖因子-A であるVEGF-Aに加え、血管不安定化因子であるAng-2(アンジオポエチン-2)を同時に阻害することで炎症、透過性亢進、血管新生を抑制し、血管を安定させる。

本剤の適応症は、滲出型加齢黄斑変性とも呼ばれる「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性」と「(DME)」。用法・用量はファリシマブとして6.0mg(0.05mL)を4週ごとに1回、通常、連続4回硝子体内投与するが、症状により投与回数は適宜減じる。その後は、通常、16週ごとに1回、硝子体内投与する。中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性では8週以上、糖尿病黄斑浮腫では4週以上空けるという前提はあるものの、それぞれ患者の状態に合わせ投与間隔を調節できるなど、フレキシブルな記載となっている。

今回の承認の背景となった、滲出型加齢黄斑変性を対象としたTENAYA試験(国際共同臨床P3試験)/LUCERNE試験(海外P3試験)では、バビースモ8-16週間隔投与群は既存薬(アフリベルセプト)8週間隔投与群に対して非劣性の視力改善効果が認められ、4割以上の患者で16週、7割以上で12週以上の投与間隔を達成した。
また、糖尿病黄斑浮腫を対象としたYOSEMITE試験(国際共同臨床P3試験)/RHINE試験(海外P3試験)でも既存薬(アフリベルセプト)8週間隔投与群に対して非劣性の視力改善効果が認められ、5割以上の患者で16週、7割以上の患者で12週以上の投与間隔が達成された。

課題となっていた医療者と患者、双方の負担軽減に期待

滲出型加齢黄斑変性は日本において患者が増加している疾患である。現在、治療の第一選択となっている抗VEGF薬は、定期的な投与が必要とされている。2020年度に網膜硝子体学会会員を対象に行われた、滲出型加齢黄斑変性への抗VEGF療法のアンメットメディカルニーズに関するアンケート調査では、「治療の負担の軽減」と長期作用/持続的投与が圧倒的に多いという結果となった。

一方、糖尿病黄斑浮腫を引き起こす糖尿病網膜症に関しては、糖尿病治療の進歩により患者数は減っているものの、現在も日本の視覚障害の原因の第3位となっている1)。2016~2017年に眼科医を対象に行われたアンケート調査2)では、糖尿病黄斑浮腫への抗VEGF療法における経済的負担が大きな課題として指摘されていた。

上記を踏まえ、飯田氏はバビースモについて、「抗VEGF薬で十分な効果が得られないケースの新たな選択肢となる」「長期作用により医療者と患者、双方の負担軽減が期待できる」と展望を述べた。

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