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結節性痒疹を対象としたネモリズマブのP3試験の結果をガルデルマ社が発表-中外

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2022年07月04日 AM10:31

PNは結節と強い痒みをともなう慢性的な皮膚疾患、承認された治療薬はない

中外製薬株式会社は6月30日、同社が創製したヒト化抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体ネモリズマブの海外導出先であるガルデルマ社が6月22日に、(PN: prurigo nodularis)を対象とした第3相臨床試験(OLYMPIA2試験)において、すべての主要評価項目および主要な副次評価項目を達成し、ネモリズマブ単剤投与により、中等症から重症のPN成人患者における皮膚病変および痒みが、プラセボと比較して有意に改善したことを発表したと公表した。

結節性痒疹は硬いドーム状または疣(いぼ)状の結節と強い痒みをともなう慢性的な皮膚疾患。発生頻度はまれであるものの、患者の日常生活に支障をきたすおそれがある。PNは、米国では18〜64歳の成人10万人あたり推定72人で、主に中年女性およびアフリカ系の人々が発症している。

IL-31のシグナル伝達を遮断するファーストインクラスのモノクローナル抗体

ネモリズマブは、IL-31レセプターAに対するファーストインクラスのモノクローナル抗体であり、IL-31のシグナル伝達を遮断する。IL-31は、アトピー性皮膚炎や結節性痒疹(PN: prurigo nodularis)など体の広い範囲に厚い皮膚結節を有し、激しい痒みを伴う発生頻度のまれな慢性皮膚疾患における複数の疾患メカニズムに関与する。IL-31は、かゆみに関連する感覚神経を直接刺激し、炎症やバリア機能障害に関与すると同時に皮膚の構造細胞に直接作用し、免疫系と神経系をつなぐシグナル伝達を行う。

同剤は、日本ではアトピー性皮膚炎に伴うそう痒において承認され、世界各国でアトピー性皮膚炎およびPNの治療薬として臨床開発中。また、PNに伴うそう痒の治療薬として、2019年12月に米国食品医薬品局(FDA: Food and Drug Administration)より、画期的治療薬(Breakthrough Therapy)に指定されている。中外製薬株式会社が創製し、2016年にガルデルマ社とライセンス契約が締結され、同社により日本、台湾を除く全世界で開発されている。

ネモリズマブ単剤投与、成人PN患者の皮膚病変および痒みを有意に改善

OLYMPIA2試験は、PN患者540人を対象としたこれまでで最大規模の臨床開発プログラムを構成する試験の1つで、成人PN患者を対象に、16週間治療後のネモリズマブとプラセボの有効性、安全性、薬物動態および免疫原性を評価した、ピボタルな第3相臨床試験。

ネモリズマブ単剤投与(コルチコステロイド外用剤またはカルシニューリン阻害剤外用剤を使用しない)群において、16週投与後、プラセボに対し臨床的に有意かつ統計学的に意義のある2つの主要評価項目の改善が認められた。

IGA(Investigator’s Global Assessment)スコアを用いた評価では、ネモリズマブ投与群の38%、プラセボ投与群の11%で皮膚病変の消失またはほぼ消失(p<0.0001)した。また、PP-NRS(Peak Pruritus Numerical Rating Scale)スコアで測定された痒みは、ネモリズマブ投与群の56%、プラセボ投与群の21%で4点以上軽減(p<0.0001)した。

さらに、主要な副次評価項目もすべて達成した。試験データにより、ネモリズマブはかゆみ、皮膚病変、睡眠障害に対し早期に作用することが確認された。同試験において、ネモリズマブは良好なリスク・ベネフィットバランスを示した。

ネモリズマブの有効性を検証するOLYMPIA1試験が進行中

現在、PNを対象としたネモリズマブの有効性を検証するもう1つの第3相臨床試験(OLYMPIA1試験)が進行中であり、OLYMPIA2試験と同様のデザインだとしている。

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