動脈化学塞栓療法に用いられる血管内塞栓材
エーザイ株式会社は2月3日、中心循環系血管内塞栓促進用補綴材「ディーシー ビーズ(R)」の日本での発売を2月4日から開始すると発表した。この製品は保険適用された高度管理医療機器であり、動脈化学塞栓療法に用いられる血管内塞栓材である。3種の粒子サイズで、血管径や腫瘍の大きさ、塞栓範囲等を考慮して選択できるようになっている。
(画像はwikiメディアより引用)
目標とする血管を選択的に塞栓
この製品は、架橋化ポリビニルアルコール高分子からなる親水性の球状微粒子(マイクロスフィア)で、注入用カテーテルを使って目標とする血管を選択的に塞栓させる血管塞栓用ビーズ。微細で均一な球状粒子であり、X線透視下において標的血管の血流停滞を観察して確認できるという。
3種の粒子サイズで塞栓部位に最適化
造影による血管の走行像を確認しながら、100〜300マイクロメートル、300〜500マイクロメートル、および500〜700マイクロメートルの3種の粒子サイズの製品から適切に選択して使用する。1バイアルに2mLのマイクロスフィアを含有し、2バイアル以内を使用の目安としている。
Biocompatibles社が開発、世界50ヵ国以上で使用
同剤は、BTGインターナショナルグループ傘下のBiocompatibles 社が開発。欧米を中心に世界50ヵ国以上に発売されており、エーザイは2009年に日本における独占的開発・販売権を獲得、昨年4月に製造販売承認を厚生労働省より取得している。エーザイは肝細胞癌に対する適応に加え、多血性腫瘍等に対する血管塞栓療法の臨床第3相試験を実施中である。エーザイグループが保有する肝細胞癌の画像診断領域で使用する各種製品と合わせ、肝疾患治療関連製品のさらなる充実を図るとしている。(長澤 直)
▼外部リンク
エーザイ株式会社 プレスリリース
http://www.eisai.co.jp/news/