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熊本大 抗がん転移薬の開発につながる、がん転移を抑制する酵素を発見

読了時間:約 58秒
2014年02月06日 PM08:15

がんの転移能獲得機構を解明

熊本大学大学院生命科学研究部(医学系)の尾池雄一教授、門松毅助教、小田切陽樹医師(大学院生)らは、がんの転移能獲得機構を解明し、転移促進因子を不活性化させる酵素を発見した。新たな抗がん転移薬の開発につながるものと期待される。

(この画像はイメージです)

尾池教授らはこれまでの研究で分泌タンパク質であるアンジオポエチン様タンパク質2(ANGPTL2)が、肺がんや乳がんの転移を促進することを明らかにしてきた。今回の研究では、骨肉腫においても骨肉腫細胞から再生・分泌されるANGPTL2が骨肉腫の肺転移を促進することを明らかにした。またがん組織内では、骨肉腫細胞のANGPTL2遺伝子が活性化されることも明らかにしたという。

TLL1ががん転移促進を抑制

さらに尾池教授らは、ANGPTL2がTLL1というタンパク質分解酵素によって切断されること、切断されたANGPTL2はがん転移を促進する機能を失っていることを明らかにしたという。

プレスリリースでは

ANGPTL2は、骨肉腫のみならず、肺がんや乳がんのがん細胞の浸潤能を増強することでがん転移を促進することから、TLL1によるANGPTL2の切断を促進することが、がん転移に対する治療法となる可能性が考えられ、今後、新たな抗がん転移薬の開発につながるものと期待されます。(熊本大学 プレスリリースより引用)

と述べられている。(小林 周)

▼外部リンク

熊本大学 プレスリリース
http://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/kouhou/press

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