活発化する抗体薬品開発
市場調査・コンサルティング会社の株式会社シード・プランニングは、世界の抗体医薬品開発の最新動向と市場展望に関する調査を行い、その結果をまとめました。
シード・プランニングは、2008年4月に「2008年版 抗体医薬品開発とビジネス展開の今後の方向性」を発刊していますが、今回の調査では、2008年の調査結果を踏まえ、世界の抗体医薬品開発企業78社などを調査。抗体医薬品の開発動向や課題、将来展望をまとめました。
2008年は、臨床現場での抗体医薬品の使用状況についてヒアリングを行い、現在抗体医薬品が導入されている「関節リウマチ」「乳がん」「血液がん」「大腸がん」について、臨床でのインパクトと使用実態、効果や課題について調査が行われました。
抗体医薬品の市場については、2010年には1,700億円を超え、今後10年で7,000億~8,000億円市場に成長し、医療用医薬品市場7~8兆円の1割を占めるようになると予想されていました。
(プレスリリースより引用)
今後の課題は?
今回の調査では、臨床試験段階の新規抗体医薬品の疾患領域を調査。その結果、がん領域が47%、次いで自己免疫疾患が16%、呼吸器疾患が7%となりました。
また、2020年度の日本の抗体医薬品市場について、現在の約2倍となる、5,000億円まで成長すると予測しています。
抗体医薬品普及の課題については、
新規抗体医薬品の利用によって向上する治療成績と高騰する薬剤費について、限られた医療費をどこに分配するかという視点でも非常に重要な問題である
とし、さらに
製薬企業にとっては医療経済評価で優位になるような臨床試験を行い、結果を出す必要がある。有効性と安全性を中心に行われた医薬品開発に、今後、経済性という新たな要素が組み入れられることになることが予想される。
としています。
▼外部リンク
株式会社シード・プランニング プレスリリース
http://www.seedplanning.co.jp/press/2012/2012081001.html