巷で支持されている血液型ダイエットには根拠がないという論文をカナダ・トロント大学の研究チームが専門誌「PLOS ONE」に発表しました。
(画像はwikiメディアより引用 by Kalaiarasy)
この血液型別ダイエットは、血液型をたどった「先祖」が送っていた食生活が体質に合っているとする考え方です。先祖が狩猟民族で、肉を主に食べていたO型ならば肉や魚が豊富な生活、農耕民族を先祖に持つA型ならば野菜や果物中心、酪農を行っていたO型は乳製品が良い…というように、血液型によってオススメの食生活があるとするものです。
同研究チームがこのダイエット方法について分析を行ったところ、残念ながら、それぞれの血液型に基づいて食事を替えた方が健康に良いという説は、科学的には支持されませんでした。
分析元のデータは、1,455人分で、観察期間は1ヶ月。196品目の食品について、どのくらいの頻度で食べたかを質問し、それぞれの血液型別のダイエットにどの程度忠実かを分析しました。更に、BMIや心臓血管系の諸検査の結果と、血液型の関係を照らし合わせました。
その結果、野菜中心のA型メニュー、野菜+乳製品のAB型メニューでは、血圧、ウェストサイズ、コレステロールなどが低く、動物性タンパク質中心のA型メニューでは、トリグリセリドが低いなどの多少の特徴が出たものの、それぞれの血液型の人がこのメニューを取ったときのメリットは確認できませんでした。
血液型別ダイエット、なかなか興味深い説ではありますが、健康を意識してのダイエットは血液型にとらわれない方が良いようです。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
ABO Genotype, ‘Blood-Type’ Diet and Cardiometabolic Risk Factors
http://www.plosone.org/article/