製造販売承認の取り消し対象は、「ロラタジンODフィルム10mg『KN』」、「アナストロゾール錠1mg『KN』」、「ロスバスタチン錠2.5mg『MEEK』、同5mg」、「ボセンタン錠62.5mg『KN』」、「モンテルカスト細粒4mg『KN』」、「エンテカビル錠0.5mg『KN』」、「イルベサルタン錠50mg『KN』、同100mg、同200mg」、「セレコキシブ錠100mg『KN』、同200mg」の計12品目。
厚労省は、これらの品目の製造販売に関する承認申請書、添付資料について、安定性試験に関する虚偽記載を行って信頼性の基準を満たしていなかったこと、重要な事実が記載されていなかったことなどを問題視した。
薬機法では、承認申請書等に虚偽記載などが判明した場合、厚労省が承認を取り消せると規定している。薬機法改正に伴い、昨年9月から同規定が施行されたが、実際の適用は今回の事案が初めてとなった。対象品目の回収が進められている現状を考慮し、承認取り消しは6月1日付とした。
医薬品の臨床試験の実施基準に関する省令(GCP)違反の品目も複数確認されたものの、安定性試験に関して問題があった品目の方が悪質性が高いと判断し、処分対象を12品目に絞った。
また、同社は安定性試験の実施日等が改ざんされたデータを用いて4社と9品目を共同開発しており、厚労省は、同様に「厳正な処分を行う」としている。ただ、共同開発を行っていた4社については、悪質性が比較的低いとして、自主的に承認整理することを認めた。
一方、業務改善命令として、経営陣に対して、法令に違反した内容の申請書等による承認申請が行われないよう役職員に教育訓練するなど、必要な組織体制を構築するよう求めた。
これら不正事案の再発防止を含め、薬機法、GCP省令等を遵守した上で、製造販売承認申請を行うことも必要とした。
厚労省は、同社が製造販売する全品目の調査を実施したため、「これ以上の違反はないと認識しており、12品目以外の処分を行う予定はない」と明言。調査を終了する考えを示した。業務改善の進捗状況について、引き続き確認していく方針。
行政処分を受け、小林化工は同日、「多くの関係者に多大な迷惑と心配をかけていることを深くお詫びする。早急に法令遵守体制の抜本的な改革を行うと共に、再発防止に真摯に取り組む」と謝罪するコメントを発表した。